2011年12月29日木曜日

Road to 技術士

2011 年の技術士第二次試験に申し込んだのが 4 月. 8 月の筆記試験, 11 月の技術的体験論文提出と進み, 先日, 面接を終えた. 合否発表は来年 3 月とまだ先だが, 一区切り付いたので, ここでこれまでを振り返る. 技術士第二次試験の受験のポイントはいくつかあるが, 一番のポイントは「経験者に聞く」ことだと 思う

ちなみに私は, 機械部門, 加工・ファクトリーオートメーション及び産業機械での受験である

【3 月~ 4 月】 まず最初にすることは, 受験申込書を作成すること. 受験資格を確認し, 私の場合は「技術士第一次試験合格証」や大学院の修了証明書などの入手

業務経歴書を作成しないといけないのだが, この業務経歴書は受験する「技術部門」や「選択科目」と 密接に関係すると ともに, 「技術的体験論文」ともリンクし, もちろん「面接」でも使用される. そして業務は, 技術士法に書いてある 技術士の業務 (計画, 研究, 設計, 分析, 試験, 評価, これらに関する指導) で整理する必要が ある. このようなことを全て考えた上で業務経歴書を書くのは, これらの注意事項は参考書に記載されているものの, 難しいことである. 特に私もそうだったが, 今年初めて 二次試験を受けようとする人は, この時期には技術的体験論文のネタくらいしか考えていないと思う. その場合, 完成した論文を想定し, その論文と整合が取れている業務経歴書を書くのは困難である. なので, 業務経歴書を 作成したら経験者に見せて, 明らかな問題点がないか, 論文を書けるような業務名になっているかを確認してもらうのが 大事である.

【5 月 ~ 6 月】 技術士第二次試験に関する本を読んで筆記試験の概要を 把握するとともに, 必須科目・選択科目の解答に必要な知識の吸収に努めた. 具体的には次の通り

  • 必須科目
    • 機械学会誌, 精密工学誌の過去 2, 3 年くらいの特集を調べて, 最近の機械部門の話題を確認
    • 環境 (京都議定書, 発電技術, 再生可能エネルギ, リサイクル) や安全 (リスクアセスメント, FMEA, FTA) に関するキーワードを調査
  • 選択科目
    • 工作機械や超精密加工技術など, 選択科目に含まれているけど詳しくない分野の本を読み, まとめる

【6 月~ 7 月】 時間を計って, 過去問を解く. 最近はやりのドット入りのノートは, B5 の A 罫は 1 行 24 文字書けるので, 1 ページ 25 行で 600 文字 (= 解答用紙 1 枚) となり, お勧め. またこれまで調べてきたキーワードも, 200 文字とか 600 文字というように, 字数の目標を決めて まとめると良いと思う

普段の業務で技術報告書などを書いているため, 「論理的に文章を書く」というところはあまり苦労しなかった. ただし「何を書くか」には苦労して, 足りないと思う知識はその都度調べて吸収した

【8 月】 多分, 最初の日曜日が筆記試験

筆記試験が終わると会社の夏休みが来るため, ここで面接までのスケジュールを見直した. 技術的体験論文を 書こうとしたけど, 夏休み中は章立てだけで終わってしまう :-p

【9 月】 まずは技術的体験論文を作成. 週末を使って 2 週間程度で作成. 図表を 考慮すると, 3000 字という分量はそれほど多くなく, すぐに埋まってしまう. しかし, 書き上げた論文に PR すべき ポイントをきちんと盛り込もうとすると字数がオーバーしてしまうため, 文章のシェイプアップに苦労した

書き上げた論文は, 10 月下旬の提出まで, 2 回, 経験者の添削を受けた

【10 月~ 11 月】 技術的体験論文の brush-up と並行して, 面接の準備を スタート. 具体的には, 次の通り

  • 暗記もの
    • 業務経歴書
    • 技術的体験論文 (原稿なしで説明できるように)
    • 技術士法 (重要な所)
  • 知識もの
    • 不足していると感じた知識の勉強 (生産システム, 産業機械など)
    • 筆記試験の復習 (解答の再現, 答えていない問題の解答作成)
  • 面接対策
    • 質問されそうな質問への解答の準備 (受験動機, 技術士になったらどうするか, ‥)

ここまで来ると, その気になればやることはいくらでもあるので, 逆に何に絞り込めば良いか分からなくなって, 勉強に手が付かなくなることもあった. 時間は限られているので, 私の場合は最新の学会誌を読んだり, 気になるキーワードを調べたりしていた

【12 月】 12 月下旬に面接の本番. 前日中に新幹線で東京に移動して, 面接に 挑む. 面接で想定していなかったことは, 面接会場にホワイトボードがあり, 技術的体験論文については ホワイトボードを使って説明するように指示されたこと. 後日, 経験者に聞くと, 面接官によっては ホワイトボードを使用する場合があるとのことだった

現在, 面接が終わり, これまでは通勤時間や休みの日でも「技術士の勉強を優先せねば」という思いに とらわれて落ち着かなかったが, そういう気持ちからは開放されてほっとしている. ただ継続研鑽は続けて いかなければならない (技術士法, 資質向上の責務) ので, 計画的に進めていこうと思う

【参考書】 関連書籍は必ずしも多くないので, 私は目についた本は片っ端から 購入したし, そうすることがお勧めなのだが, その中から役に立った本を pick-up する

「技術士第二次試験「機械部門」完全対策 & キーワード100 第2版」 (Net-P.E.Jp, 日刊工業新聞社)
筆記試験, 技術的体験論文, 面接試験の一通りが説明されている. 特に技術的体験論文の事例や 面接試験の様子が書かれているのが Good. 巻末には技術士法も掲載されていて, 面接の直前までお世話になった 本だった

「技術士第二次試験「機械部門」対策解答例 & 練習問題 第2版」 (福田遵 監修, 大原良友 著, 日刊工業新聞社)
筆記試験, 技術的体験論文, 面接試験の一通りが説明されているが, どちらかというと筆記試験・技術的体験論文に 多くのページを割いている. 筆記試験の練習問題を探したり, 技術的体験論文の構成を考えるときに役に立った

「技術第二次試験論文の書き方」 (福田遵, 日刊工業新聞)
「論文の書き方」を詳しく解説した本. 章立てを考えて, 文字数を割り付けて, という論文の書き方を 詳しく説明していて, 特に筆記試験の心構えとして役に立った. 現在は「第2版」が出てるが, 私が 参考にしたのは 2008 年 12 月発行のもの

試験準備は楽ではないけど, 「準備ができたら第二次試験に申し込もう」と考えると, いつまで経っても 申し込めなくなってしまう. なので, 技術的体験論文が書けそうなネタがあれば, ひとまず第二次試験に申し込んで, 「1 年目は試験の体験をするのが目的で, 落ちてもいいや」という感じで臨むほうが良いと思う

また技術的体験論文を書いたり, 技術士法を読んだりすると, 「技術士とは何か?」が分かってくるので, 普段の業務でも「技術士」を意識した考え・行動を取ることができるようになる (と思う). そういう意味でも, 合格できる・できないは別にして, 第二次試験に申し込んでしまうのをお勧めする

2011年11月13日日曜日

シャチハタ不可

会社に提出する書類を眺めていたら, 押印欄に「シャチハタ不可」と書いてあった. ゴム印で, 背後からインクがにじみ出てくる便利なアレだが, それではダメということだ. 印影を見ても, お手軽ゴム印と普通のハンコの区別なんて付かないだろうと思いつつ, 気が小さいのと, 普通のハンコを儀式的に押す作業は嫌いではなかったので, 素直に普通のハンコで押した

会社の名前や特定の商品名がモノの代名詞になることは割と普通のことで, ホッチキス (会社名) とかセロテープ (ニチバンの商品名) とか, ちょっと前だとゼロックス (会社名, コピー機) とか, 私の範疇には シーケンサー (三菱電機の商品名) いうものもある. 多分, その会社が先駆的な 商品を世に出すと, 一般名称が普及する前に, 会社名とか商品名で呼ばれることが定着して しまうのだろう

最近の商品で, こんなふうに目立つものはあるだろうか? Google の「ググる」は, 近い ものがあるかもしれない. iPhone は, スマートフォンの一般名化する前に, 各社から 様々なスマートフォンが出てきてしまったような気がする

2011年11月12日土曜日

「西の魔女が死んだ」 (梨木香歩, 新潮文庫) 読了

中学生のまいは学校へ行けなくなり, 母方の祖母の家でしばらく暮らすことになった. 祖母は実は魔女の血を引いていて, 祖母の家でまいは魔女の修行をすることになるが, 一番大事なことは「自分で決める」ということだった

生活の仕方とか人間関係の考え方とか, 祖母の考え方に私もいちいち諭されてしまう. 周囲に対して心を動かされず, 1 つ 1 つを自分で決めていく姿勢を大事にしたい

「虐殺器官」 (伊藤計劃, 早川書房) 読了

アメリカ情報軍のシェパードは, 世界で起こる虐殺を止めるための活動をしていたが, それらの虐殺には常にアメリカ人のジョン・ポールが関与していた. シェパードは ジョン・ポールを追い, 虐殺を扇動する目的や方法を知るが…

虐殺を扇動するほうも, それを阻止するほうも, あるいは兵士に麻薬を打つことも, 兵士にカウンセリングをすることも, 結局のところ善悪というのは相対的ということなんだろうか? 虐殺の文法とか, 先天的にそれを受ける器官を持つという発想は面白かった. 絵的には非常に 残虐なのだが

2011年11月6日日曜日

2012 年の手帳を悩む

毎年の恒例行事だが, 来年 2012 年の手帳をどうしようか, 気になり始めている. だが今日, バスの定期券を買いに行く道中で 1 つひらめいたので, 記しておく

私が手帳に期待する役割は, 次の 2 つだ

  • 日々の予定を覚えておく (会議などのスケジュールがバッティングしないように)
  • 1 日 1 日の時間割を意識する (その仕事に何時間かけるか? そして実際に何時間かかったか?)

今まではこれら 2 つを 1 冊の手帳で処理しようとして混乱していたのだが, ここは 割り切って, 「日々の予定を覚えておく」ほうを手帳の役割にして, 「1 日 1 日の時間割を意識する」は 別にしようかと思う. なので手帳としては, 見開き 2 ページに 1 か月があり, それ以外はメモスペースという イメージにしようと思う. 後者の役割については, 特に持ち歩く必要はないので, PC で管理するとか, 別のノートで管理するとか (A4 ノートに日々の ToDo を書いているので, そのフォーマットを変えて, 時間軸を追加しても良い) すれば良いと思う

こんな方針でもう少し煮詰めて, 無理が無ければ来年の手帳を買ってしまおう

【追記】 1 週間のページもある手帳にして, そこには朝食・昼食・夕食や, 使った金額などを 書くのもありか?

2011年11月5日土曜日

「やさしい生産システム工学入門」 (朝比奈奎一, 日本理工出版会) 読了

生産制御システム, 技術情報システム (CAD/CAM/CAE), 生産管理情報システムに 関して, 概説した本. 平易な内容で生産システムの全体像が示されており, 頭の整理に なった

これまで生産システムについてはつまみ食いだったが, 全体像を頭に入れることで, その生産システムの位置付けに対する理解が深まり, 他品種に展開するときや スケールアップする場合にいろいろな選択肢を考えられるようになると思う (そうなりたい)

「ローマ人の物語 <2> ローマは一日にして成らず <下>」 (塩野七生, 新潮文庫) 読了

貴族と平民の対立から, 国家を作り上げていくところまでの話. 個人の才能に過度に依存せず, 安定した国家を築くための様々な仕組みやインフラを作っていく姿が描かれている

この頃は, 政治≒国家の安定≒他国からの侵略を防ぐ, という図式が生々しい時代であり, 現代の (少なくとも日本の) 政治には欠落している重要な観点の 1 つを思い起こさせられる

2011年10月30日日曜日

「ローマ人の物語 <36, 37> 最後の努力 <中, 下>」 (塩野七生, 新潮文庫) 読了

ディオクレティアヌスが始めた四頭政は, 紆余曲折を経てコンスタンティヌスによる専制統治となる. そしてコンスタンティヌスは, キリスト教を利用して自分に正当性を与え, またローマを統治しようとする

ディオクレティアヌスによる分割統治はいいアイデアだったのだが, それを維持するのにコストが かかり過ぎる点と, やはり全土を 1 人で統治したい (特に正帝・副帝の正当性があやふやなときは) という 気持ちの結果, 長いこと続かなかった. 結局はしたたかなコンスタンティヌスがトップに立ったが, そこまで 考えてキリスト教を擁護したのは, すごい戦略家だと思う

コンスタンティヌスの戦略の帰結がどうなるか, 次へ進みます

2011年10月23日日曜日

「獣の奏者 (4) 完結編」 (上橋菜穂子, 講談社) 読了

王獣を操れるエリンは, 王獣軍を作るという真王の意向には逆らえないと考え, 王獣を訓練していく中で王獣と闘蛇と人との関係を見極めようとする. そしてついに 他国からの侵略が始まり, 人の手で増やされた闘蛇軍とエリンの王獣軍が戦場に 投入される

自然のバランスを崩したことによって到達した帰結は圧倒的だった. その圧倒的な 体験から得られた知識を, 隠すか, それとも引き継ぐかで, エリンらしさが出たという 感じがした

あとがきに, 探求編 (3) と完結編 (4) が生まれたきっかけはアニメ化だったというような ことが書かれていた. 文章も, 視覚を強調するような説明が駆使されているように感じた

「ローマ人の物語 <35> 最後の努力 <上>」 (塩野七生, 新潮文庫) 読了

ディオクレティアヌスは, ローマの現状 (広い国土と, いたるところでの蛮族の侵入) と自己の力 (軍事はイマイチ) を 冷静に判断した上で, 自分を含めて最初は 2 人, そして最終的には 4 人の皇帝を任命し, それぞれに担当領域を決めて 帝国を維持しようとする. それはそれで成功するのだが, それの副作用として徐々にローマが衰亡へと向かうようになる

現状から「変える」ことには, 必ずプラスの面とマイナスの面がある. ローマ帝国に平和をもたらし, また長期の安定を 狙ってディオクレティアヌスは様々な施策を打つのだが, 後世から見ると, より長期の視点からはマイナス面も目立つという のは, 運命の皮肉みたいなものを感じる

※ 34 巻も読んでいるのだが, ここに感想を書いていないことに気付いた :-) まぁ, よしとして, 先に進みます