2011年8月19日金曜日

「コクリコ坂から」

※この文章を書いている時点で公開中の作品です. ネタばれ注意

幼い頃に父を失った女子高校生が, 小さいときからの習慣で, 父の帰還を願って信号旗を揚げ 続けていた. 一方, 彼女が通う学校ではクラブ活動用の老館が建て替えられようとしていて, 彼女は建て替え反対を先導する男子が気になるようになる

原作を少女マンガから持ってきたこともあり, ジブリらしからぬストーリィ展開はかえって 新鮮さを感じた. ただクライマックスへと向かい始めた辺りから展開が速く, 私としては もう少し人物の心情に迫っても良かったと思う (心情の取り扱い方はジブリっぽかったけども)

ストーリィとしては良かったと思うのだが, 私には主題がよく分からなかった. ポスターの 「上を向いて歩こう」というフレーズも取って付けた感じだし, 「なぜ, 今, この作品を?」という 部分を私は掴むことができなかった (このへんは, 録画したけどまだ見ていない NHK の特番を見ると 分かるのか?)

オープニングの朝食準備の歌は, 面白いと思いました

「ハーモニー」 (伊藤計劃, 早川書房)

医療分子などにより体の悪いところは病気になる前に発見されるような世界, ヒトは痛みや 苦しみを感じずに生活できるようになっていた. そのような世界に違和感を感じた女の子が, 友達 2 人と巧妙な自殺を図り, 友達 2 人は直前で発見されて一命を取りとめるが, その 女の子は亡くなってしまった. 13 年後, そんな健康な社会を揺るがす事件が起こり, WHO の 職員である死ねなかった女の子は, 事件の背後に個人的な繋がりを見つけ, 事件の解決に挑む

個人の健康が監視・維持される社会という設定は他でも見たり読んだりしたことがあったが, その技術が究極まで進化するとどうなるか? を描いた点で, この作品は他と違う要素を持つ. 健康である ことは良いとしても, それが監視される社会はやっぱり窮屈なのか?

この作者の本を読むのは初めて. 続いて他の本も読んでみようと思う

2011年8月16日火曜日

Ubuntu 11.04 Desktop (日本語) インストール

長らく Vine Linux を使ってきた. Vine Linux 6 がリリースされたので, Ver.5.2 からアップグレードしようと したのだが, インストール自体は問題がなかったけど, X の表示がうまく いかない. xorg.conf の設定程度なら何とか対処できたかもしれないけど, 問題はロードされているモジュールとビデオカードやモニタとの相性の ようで, ドキュメントを読んでそれを解決する気力が出ない (X の 起動時のログを見ると, モニタ名などは拾えているみたいだったのだが‥)

ならば思い切って浮気をしてしまえということで, 選んだディストリビューションは, 最近良く目にする Ubuntu. これの, Ubuntu 11.04 Desktop 日本語 Rimix CD をライブモード (?) で起動したら 全く問題なかったので, そのままインストールした

インストールは, 他のディストリビューション (と言っても, 最近は Vine Linux の経験しかないが) と同様に簡単. 私の場合, 下記のように パーティションを切ってインストールされている Vine Linux に上書き するため, パーティションとマウントポイントの設定を間違えないように 注意する必要があった

  • /dev/sda5 ; /boot
  • /dev/sda6 ; /

またブートローダは Windows Vista のものを使うため, Grub は /dev/sda5 にインストールする必要があり, それを 明示してやらなければならない. インストール終了後に, インストールで 使用した CD で ライブモード (?) で起動し, 下記のコマンドで ブートイメージを取得. Windows を起動して, Vista のブートローダに 追加した ( 参考 ; @IT の記事)

dd if=/dev/sda5 of=ubuntu.bin bs=512 count=1

使ってみた 1st impression は極めて良好. 知っているコマンドでも apt-get install する必要がある場合はその旨が表示されるし, 危ないコマンドは sudo 経由で動いている みたいで, 大抵はパスワードを要求されたり, 親切な設計になっている

ただ私の場合はクリーンインストールをしてしまったので, キーボードやドットファイル, ブラウザのブックマークなどの設定を復旧させなければならないのが少し手間 (学生時代は それが楽しかったのだが‥

1996 年頃に Slackware からスタートした Linux ライフは, Vine Linux を経て, Ubuntu へ たどり着いた. tgz → rpm → deb と渡り歩いたことになる

2011年7月31日日曜日

「未曾有と想定外」 (畑村洋太郎, 講談社現代新書)

帯にも書かれているが, 失敗学で有名な畑村先生が, 原発事故調査・検証委員会の委員長への就任が決まり, そうなると報告がまとまる前に「知り得た事実を自由にオープンにすることができません」と考えて, その前に まとめられた内容が本書である. しかし分量も十分だし, 説得力もあるし, 日々, 方々から聞こえてくる 「未曾有」とか「想定外」という言葉へのモヤモヤ感の理由がよく分かった

簡単に言えば, 今回の津波は 1200 年も遡れば未曾有ではないし, 原発が事故を起こす状況を 想定するのが専門家の仕事である. 地震や津波に関しては, 土木技術などのハード面が急速に発達しているが, そうは言っても自然の力は大きいので, 避難するなどのソフト面の対策を決して忘れてはならない. 原発については, 法律や規制に基づいていればそれで良いという考えではダメで, 社会の要望の変化を 敏感に察知して, それに対応した終わりのない安全対策をしていく必要があるということだろう

自動車も, 私の小さい頃は前部座席に 2 点式のシートベルト (装着は義務ではなかった) しか無かったが, 前部座席のシートベルトが 3 点式になり, かつ義務化され, 後部座席にもシートベルトが付く (最初は 2 点式だったが, 今は 3 点式. しかも装着が義務化) ようになった. 自動車を運転する人が増えたことと, より安全を意識する社会になったことを受けて, このように変化したのだと思う. このように, 技術として あるレベルで完成しても, 安全対策は不断で進めていく必要がある

「ダークゾーン」 (貴志祐介, 祥伝社) 読了

気がつくと, 軍艦島に似た「ダークゾーン」と呼ばれる空間にいた奨励会 3 段の塚本たちは, 異形の者となっていた. それぞれが役割を与えられていて, 自分たち = 赤軍は青軍と 7 局を戦い, 4 勝すれば勝ちとなるゲームに参加させられていた

ゲームの緻密な設定, ダークゾーンと現実を行ったり来たりする目まぐるしい舞台の変化, 多用された漢字, 映像化が困難なストーリィなど, 貴志 (棋士と同音ということに今気付いた) らしい 作品だ. ダークゾーンというありえない世界が舞台であるにもかかわらず, そこでの戦いには 大きなリアリティを感じて, ドキドキした

第七局, 青軍の歩兵が成ったとき, 塚本はペンタグラムで守っていたが, DF 1 体を実体化させて ヘキサグラムにしていたら, 可能性としてもう少し楽になったのではないか? なんて思ったりした

2011年7月2日土曜日

What happened to my avocado? / アボカドどうなった?

ここ 1 年くらいアボカドに全く触れていなかった (前回のポスト) ので近況を報告したい

  • 身長が伸びて, 1 段目の葉っぱ群の上に 2 段目の葉っぱ群も発生したのだが, 6 月の猛暑で枯れてしまった. 現在, 1 段目の葉っぱ群だけ残っている
  • 1 段目の葉っぱ群の上辺りから, 枝分かれが始まり, そこに小さな葉っぱが付き出した
  • 枝分かれが始まった頃から, 外に出して育てている. 特に栄養は与えていないが, 最近の気温上昇を受けて 少しずつ伸びつつある

伸びだすと, だんだんかわいく感じる :-) 育てる者のえこひいきというか, 自分勝手というか

2011年6月29日水曜日

見える化

職場を整理していたら, ホワイトボードが 1 つ余った. 捨ててしまうのももったいないし, 何かに活用できないか, ひとり勝手に考えている

工場とかに行くと, 今月の生産目標に対して現在の進捗がどうだとか, ラインでは今は こんな製品を生産していますとか, 掲示物を使って上手に「見える化」されていることがある. 自分の自分ひとりで抱え込むのではなく, 第 3 者にも分かるようにすれば, そこから何かの 気付きが生まれて, よりスムーズに仕事が進むことを期待して, 「見える化」が進められている. 職場で余ったホワイトボードも, そんなふうに活用できないか?

ふと, 中学生の頃に通っていた近所の英語塾のことを思い出した. そこでは, 3 か月だったか 半年かごとに 1 冊のテキストが渡される. テキストと言っても短いストーリィが英語で書かれて いるもので, 小学生用のテキストはほぼ絵本のようなものだ. そのテキストを使って, ページ毎に, 意味は分からずとも読む, 訳す, 覚えるという勉強をその期間でこなすのだが, 塾生全員の進捗が教室に張り出されていて, さぼっていると一発でばれてしまうのだが, ある意味で励ましにもなった. そんなことが, 職場で余った ホワイトボードを使って実現できないか?

私の職場の業務は非定型のものが多く, 標準化が難しい. でもそれは, そう思い込んでいるだけかも しれず, 標準化が難しいとはいっても 1 週間や 1 か月の計画は立てられるし, その計画を基準にして 進捗を評価することは可能だと思う. 途中で仕事の進め方が変わったら, そこで計画を変えれば良い. 自分の計画を監視されているようで嫌な感じを持つかもしれないが, 慣れればメリットのほうが多いような 気がする

2011年6月25日土曜日

「失敗の効用」 (外山滋比古, みすず書房) 読了

外山先生のエッセイ集で, タイトル「失敗の効用」はその 1 つ. 筆者流の ものの見方・考え方に, はっとするところもありました

私にとって耳が痛かったのは, 人に合わせて食事をするというマナーについて. 会社の食堂で同僚と食べるときは問題ない (みんな, 食べるのが速いから) のだが, それ以外の場面ではどうしても私は先に食べ尽くしてしまい, 時間が余ってしまうのだ :-p

2011年6月19日日曜日

「天と地の守り人」 (第一部, 第二部, 第三部) (上橋菜穂子, 新潮文庫) 読了

南の国, タルシュ王国が, 北の国々への侵略を開始し, 新ヨゴ皇国に兵を送る準備を進める. 新ヨゴ皇国は鎖国し, 国内の戦闘体制を整えようとするが, 戦に慣れていない新ヨゴ皇国内には 様々な歪みが生じる. 状況を打開すべく一か八かの賭けに出たチャグムは, 新ヨゴ皇国では 死んだものと思われていたが, バルサにはチャグム探索の依頼が来る

チャグムの長い旅とバルサの人生の総決算というようなストーリィ. 全てがハッピーエンド というわけにはいかないが, 収まるべきところに収まった感じだ. 個人的には, 呪術師としての タンダの活躍をもう少し見たかったが, タンダに対するバルサの想いも伝わってきたし, それは それで良かったと思う

ラスト, 帝とチャグムはもっと激しく対立するかと思ったけど, 案外と帝は大人しかった. 神の子としての自分の立場を知りつつも, 自分の力の限界を感じていたからか? 「天の神に責任を あずけ, だれもが真実を見ようとしない, 無責任な国」というチャグムの想いは, 日本の置かれた 状況を示唆しているようにも感じる

というわけで, 守り人シリーズ, 文庫本でコンプリートとなりました :-)

2011年6月5日日曜日

「理系バカと文系バカ」 (竹内薫, PHP 新書) 一応読了

とかく日本では「理系」「文系」と分類したがるが, 両者の典型的な思考・行動パターンを 指摘した上で, 要はバランスが大事だよということを説いた本. 書いてあることはいちいち もっともなのだが, 馴れ馴れしい文体は私の好みではない :-p なので筆者の竹内薫さんの 評価も私の中ではイマイチだったのだが, 日経新聞の夕刊の書評欄で科学分野を竹内薫さんが 担当されていることを最近知って, 評価が上がりつつある

本書の最後に挙げられているオススメ本の中に「エッジ」 (鈴木光司) があったことも, 私の中での評価を押し上げている