2012年8月19日日曜日

「鬼の跫音」 ( 道尾秀介, 角川グループパブリッシング) 読了

自分自身はそれが間違っていないと考えながらも, その思いが微妙に ずれていて, それ「ずれ」が一人称で淡々と語られているところに恐さを 感じる. また単なる恐さではなく, 「間違っていないという思い」が「嫌さ」を 感じさせ, それが一層恐さを増幅していた. 短編集だが, 主人公の思いの一途さから 「冬の鬼」が私的にはベストかな?

たまたま立ち寄った本屋で文庫本を見つけ, 短編の 1 つである「ケモノ (正しくは 漢字のけものへん)」の名付けのセンスに撃たれてしまい, 図書館で借りて読んだ. ちょっと した「ずれ」が恐さに結びつくという事実そのものも, 案外恐いことかもしれない

最近, 読んだ本は ブクログ に 整理しているので, こっちに書こうとするモチベーションが上げる必然性が薄まっている. でも, この著者の本を初めて読んだという場合くらいは, こっちにも書いておきたい

ここしばらくの読書傾向として小説に片寄っている (ある程度は意図的なのだが). もう 少し仕事関係の本も読もうかと思う