2012年2月26日日曜日

「ローマ人の物語 <43> ローマ世界の終焉 <下>」(塩野七生, 新潮文庫) 読了

とうとう読了. 感想が 39 巻 から飛んでいるが, 40 巻から 43 巻までは一気に読んでしまい, 1 冊ずつのエピソードがごっちゃになって しまったので, 最終巻が終わったところでまとめて感想を書く

問題は, 国の状態と皇帝の地位が切り離されてしまい, 皇帝が責任を果たせなく (果たさなく) なった ことだと思う. たとえ蛮族の人間であっても, ローマを何とかしようと思い, 行動に移した人はいた. しかし そういう人をうまく働かせることができなかったから, ローマが終わってしまったのだと思う

筆者も書いていたが, 貨幣鋳造の技術も, ローマが終焉に近づくとどんどん劣化していった. こんなところからも, 国の力の変化が見てとれる

一旦, 最終巻まで行ったので, 最初から読み直すほうも徐々に続けていこうと思う

2012年2月11日土曜日

「眼球綺譚」 (綾辻行人, 集英社文庫) 読了

TV で「Another」のアニメ版を見ているが, 原作者はどんな人なんだろうと 思って, ひとまず読んでみた. ホラーまっしぐらという短編集

強いて言えば, 理屈っぽい「特別料理」がホラーとして良かったと思う

また「眼球」への拘りは, 「Another」の登場人物の 1 人が義眼であるとか, アニメ版「Another」のオープニング映像とかに受け継がれていると思う

なお解説で, 「新本格」というラベルが京極夏彦の登場以降は実質的には 意味はなくなったと思うと書いてあるが, これは, 京極夏彦が, 「新本格」 (論理性を重視するミステリ) と雰囲気を重視するミステリを両立したと いうことを意味しているのであろうか?

「死神の精度」 (伊坂幸太郎, 文藝春秋) 読了

死神の調査員は, 1 週間かけて担当の人間を調査し, 特に問題なければ「可」の 判定を下す. 「可」となった人間は, 8 日目に死ぬ. そんなミュージック好きな 死神の調査員と, 彼が担当する人間のストーリィ. 人間の価値観に縛られない 死神だからこそ, かえって人の真実を見抜いている, そんな感じがした

1 番好きだったのは「旅路を死神」かな. 若者の思い込みが, 勘違いである 可能性を指摘できたのは, やはり彼が死神だったからなんだと思った

2012年2月5日日曜日

「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上)」 (スティーグ・ラーソン) 読了

近々日本でも映画が公開される が, ちょっと前から新聞の書評などでも 取り上げられていたので, 図書館で借りて読んでみた

雑誌「ミレニアム」の発行責任者のミカエルは, 大物実業家に関する記事を執筆. 名誉毀損で訴えられ, 負けて しまう. そんなミカエルに別の実業家から声がかかり, 昔, 一家に起こった不幸な事件の謎を解いて欲しいと 言われる‥ (という要約だと, ドラゴン・タトゥーの女 = サランデルが出てこない :-p)

いろいろな出来事が次から次へと起こり, 過去の事件とも重なって話が複雑になっていく. スウェーデン人の 名前に慣れないという混乱要因もあるが, 今のところは筋を追えてますので, 引き続き下巻に進みます