2011年5月21日土曜日

「新世界より (上・下)」 (貴志祐介, 講談社) 読了

呪力が使えるようになった人間の世界, 外周を八丁標で囲われた町で暮らす人々. 図書館では昔の図書は禁書となり, たくさんのタブーに囲まれて平和に暮らしていた. しかし タブーの綻びから世界の真実を関心を持つようになった主人公は, 大きな事件を経験する

「呪力を持つ人類」という仮定から, その歴史や社会が作り上げられているが, 物語の 「黒さ」は「悪の教典」を彷彿とさせる (両者とも「黒」すぎて, 映像にはできないだろう). 人類と対比されるバケネズミの理路整然とした行動・生活様式は, 今の日本に必要なもの かもしれない. また漢字への拘りは「ISOLA」の印象と重なった

心臓が止まるまで逆転を諦めない奇狼丸の態度が, 心に残った

2011年5月8日日曜日

「怪 vol.0032」 (カドカワムック 377) 読了

vol.0032 の特集は, 「豆腐小僧」と「女」

「女」のほうは分担執筆している人が各々の興味に基づいて書いており, 脈絡はないが 「怪」らしくてそのほうが良いのかもしれない. 有名なイタコが近いうちにいなくなるかもしれない というのは, もう仕方がないのかもしれない

「豆腐小僧」は, 江戸時代の子供の妖怪に関する話や, 豆・豆腐のもつ力みたいな 話があり, こう言っては失礼だが以外と興味深い話だった

それ以外だと, 四天王に踏まれている鬼, はなかっぱ, 昆虫食あたりが Good. 京極の話は 読まなかった :-p

最近, 「怪」のスタイルが徐々に決まってきた感がある. それを壊していくような 筆者の登場を楽しみにしています

「〈アイデア〉の教科書」 (山田壮夫, 朝日新聞出版) 読了

電通で働く著者が, ロジカル・シンキングなどでは解決できないような課題に 対する <アイデア> を考えるための「ぐるぐる思考」を紹介した本. それとは 気付かないうちに, これに似たような発想法をしている場合もあるかもしれないが, 発想のプロセスを意識することで, よりよい <アイデア> にたどり着けるように なると思った

なるほどなぁと思ったのは, 本筋の「ぐるぐる思考」に関することはもちろんだが, それ以外に「イノベーションの 3 要素」にも興味を持った. 本書ではイノベーションの 3 要素として, 起業家精神, アイデア, 技術が挙げられている. 良いアイデアがあり, それを実行するための技術があったとしても, 起業家精神, 私の解釈ではその取り組みを 継続していくための仕組みやリソースにまで気が回らないとダメということだろう. 一時的な取り組みでは, その時は良いとしても, 結局は続かなくて元に戻ってしまう のだ

本書で触れられていた, 野中郁次郎さんの本も読んでおきたい

2011年5月5日木曜日

「パウル・クレー展」 @ 京都国立近代美術館

平安神宮に近い 京都国立近代美術館 で開催された 「パウル・クレー展」に行ってきた. クレーの創作の過程を 見せるような展示になっており, 単なる絵画ではない不思議さを感じた

クレーの作品で変わっているところとして, 例えば 1 度描いた絵画を切り離して複数の別の作品に 仕上げたり, 切り離したものを貼り直して 1 つの作品に再構成したりする点がある. 抽象的な絵画を 切った貼ったして完成に仕上げていく過程は, なんでそんなことをするのだろう? という思いを 抱かせる

また, ある作品の裏面に別の作品が描かれていたり, 黒の油絵の具で作ったカーボン紙で デッサンを転写して作品を作るなど, 制作過程にこだわり (?) を感じる作品も多く, 今回の クレー展ではそのような制作過程を意識した展示になっていた. 「なぜそういうふうに描くのか?」と 考えても分からないのだが, いつもと違う切り口で絵画を見るのは新鮮だった

2011年5月4日水曜日

京都・奈良 in 2011 ゴールデンウイーク

まだゴールデンウイークの途中ではあるが, 私のメインイベントは終わってしまったので, 忘れない うちにまとめておく. 2011 年のゴールデンウイークは, 京都・奈良というベタな観光地へ車で 行き, 渋滞に巻き込まれた :-p

【京都】 JR 京都駅の駐車場に車を止め, 伊勢丹の上の方で食事. その後, 岡崎公園駐車場 に車を止めて, 京都国立近代美術館 で 「パウル・クレー展」を見学した

JR 京都駅 に到着したのは 11:30 くらい. 駐車場にはすっと入れ, 5F に駐車. 駐車場はまだまだ空いている感じだった. 食事して, 伊勢丹をブラブラ して, 13:30 頃に車へ戻ってみると, 車がぎっしりと詰まっていた. なお料金などを気にしなければ, 京都駅周辺の大規模駐車場は, この京都駅の駐車場の他にイオン京都モールの駐車場もある

次の目的地は, 平安神宮近くの 岡崎公園駐車場. 鴨川沿いに北上し, 祇園で 1 本東の八坂神社に面した道に入って北上するも, 大渋滞 :-p. 片側 2 車線の道路だが, 左側の車線はバスやタクシーがよく止まるし, 右側の車線は右折待ちの車でよく止まる. 多分, バスも定時運行できてないんじゃないか? というくらいの混みようだった (私の車はその一因でもあるが)

岡崎公園駐車場 では入り口に十数台の車の列があったが覚悟を決めて並ぶと, それほどの時間もかからずに 中へ入れた. 午前中から来ている人が, 昼食後に出ていくタイミングにうまく重なったのか?

帰りは 17:00 前に出発したのだが, 行きのとき以上の大渋滞. 出発してから四条大橋を越えるまでに 1h 以上も かかってしまった :-p. 前方が詰まっていて交差点を進めない → 対向車線から右折車が交差点に進入 → でも横断 歩道に歩行者が多すぎて横断歩道手前で止まってしまう → 前方が空いても右折車が邪魔で直進できない → 横断歩道の信号が変わって右折車が進んでも直進方向の信号も変わってしまい数台しか直進できない, という 負の連鎖に巻き込まれたりした

思ったのは, 幸い京都駅は観光の中心から少し外れているので, 京都駅周辺に車を止めて電車 (地下鉄) で 観光に行くのが better かと. ただ京都駅周辺の大規模駐車場は比較的料金が高いので, 伊勢丹とかイオンでの 買い物や食事を組み合わせて駐車料金が割引になるような工夫を考えるのが良いかも

【奈良】 まず東大寺へ向かうも空いている駐車場を探せず, 奈良町の外れの方にある民間の 駐車場に車を止めた. 東大寺, 春日大社, 興福寺を巡り, 途中, 夢風ひろば で食事した

ネットで駐車場の混み具合を調べると, 10:00 くらいでは春日大社の駐車場も空いていたのだが, 現地に 11 時くらいに到着すると, 県庁前の交差点から東大寺前までの 1 車線道路がぎっちり. 道路の駐車場の 空き状況表示もあてにならず (「空」マークでもバス専用だったり, その駐車場を所有する建物の利用者のみ だったり), 東大寺前で右折し, 奈良町の外れ (JR 奈良駅のほう) に駐車

お昼ごはんは 13 時頃ということもあり, 少しの待ち時間で OK. その後, 春日大社へ. おみくじ売り場を 見ていると, 「凶」の確率が高いような感じがした

奈良の弱点は都市内も都市間も道が狭いこと. 奈良市の観光地付近ではゴールデンウイーク中は 「パーク & ライド」 (中心地から少し離れたところに車を止めて, 中心部へはバスや自転車で行く) を やっていたようなのだが, 道にある看板がチャチで「本当にやってるの?」と いう感じだった. 観光バスやタクシー, 障害者・老人の乗っている車以外は完全にシャットアウトして 「パーク & ライド」を徹底させるというムチを使うか, 「パーク & ライド」利用者に各種割引券を 配布するアメを使うなど, 手はいくつかあると思う. また車で混雑する別の理由は, 車で立ち寄る観光客が多い → 滞在型の観光客が少ない → 宿泊施設が不十分という長年の課題もある. 「パーク & ライド」的に, ちょっと離れたところにホテルを作って, バスが各ホテルと観光地を巡回するようなことをやっても 良い

なお, 京都では観光地に行かなかったのであまり感じなかったが, 奈良では外国人観光客, 特に アジア系 (中国人や韓国人だと思う) を良く見かけた. 関西方面には海外からの観光客が戻ってきて いるのかな?