2010年12月30日木曜日

「鋼鉄の叫び」 (鈴木光司, 角川書店) 読了

「自らの意思で帰還した特攻隊員」に焦点を当てた TV 番組を企画しようとするディレクタが, 様々なアプローチでまだ生きている特攻隊員を探し出そうとする. 一方, その TV ディレクタは, 偶然に知り合った人妻との結婚を考え, その人妻もディレクタとの結婚を希望するが, 彼女は娘との 別れが辛く, その一歩が踏み出せない

日経新聞に竹内薫も書いていたが, 一般的に鈴木光司は「リング」「らせん」「ループ」で 有名なホラー作家と認識されている. しかし「鋼鉄の叫び」では長い時間軸での人間関係に 焦点が当てられていて, ファンタジーノベル大賞を受賞した「楽園」を彷彿とさせる. また, 「人間関係」という視点を念頭に置くと, 「リング」からなる一連の作品や「エッジ」なども, 「人間関係」を強く意識した作品だと認識できる. 人は生きていくうえで何を信じるべきか, という問いに対する作者の解が提示されているような気がした

「パナソニックが SANYO を買収する本当の理由」 (荻正道, アーク出版) 読了

パナソニックと三洋が歩んだ歴史を振り返り, パナソニックによる三洋の買収が パナソニックにとってどういう意味を持つものかということを解説した本. 人間関係とか 感情面が表に出ていて, 一見すると単なる著者の想像にも見えるのだが, それに 歴史的な肉付けをすることによって, なるほどなぁと思えた

パナソニックが三洋買収によって得られるメリットは, 一般的には 2 次電池とか 太陽光発電とか言われている. それは, 事業面のメリットとしては正しい. ただ 企業として持続していくことを考えたとき, 筆者も述べているように, 三洋という 異文化を取り込むことによる体質強化ということを意識することが大事なんだと 思った

これは, パナソニックに限らないけどね

年末のスターバックス

スターバックス でコーヒーを飲み, 年末の買い物に行くというのが, ここ数年の恒例のイベントだ. 今日のコーヒーは スマトラ. 酸味がイマイチな私にとっては, 酸味のない スマトラ は 非常においしかった. ただ, 優待券を持ってた勢いでベンティを頼んでしまったので, 本を読みながらとはいえ飲み干すのに時間がかかった. 「食べ放題でも 食べ過ぎないようにしよう」と心に決めてるので, 来年はグランデぐらいにしておこうかと思った

記念に, 紙コップに巻いてあった腹巻を持って帰る. 机のペン立てに巻いておくと, 何となく優雅な雰囲気になる

昼前, 雨が降り出した. 途中でラーメンを食べて帰宅したが, 家に着く頃には雨は上がっていた

2010年12月19日日曜日

「The Elements of Style, Fourth Edition」 (William Strunk Jr. ら, Longman Publishers) 読了

アメリカの大学生向けの教科書をベースに作成された, 英文の書き方本. 初歩的な 文法に関する注意事項から, 間違いやすい単語の使い分け, 良い英文を書くための 指針など, 薄い本ながら盛り沢山の内容である. こういう本の知識があると, 英文の書き方だけではなく読み方も変わると思う

日本語→英語に翻訳すると, まどろっこしい英語になることがある. こんなことに なるのは非ネイティブだからだと思っていたが, この本を読むと, ネイティブでも そんなことがあるということが分かる. そういう読み方をしても面白いと思った

「街場のマンガ論」 (内田樹, 小学館) 読了

筆者がマンガをネタに方々で書いたり喋ったりしたことをまとめた本. 本業の知識を ベースにマンガを整理しなおすことで, 「あぁ, こういう見方があったのか」と いろいろ気付かされる

面白かったのは, 少女マンガのところと, アメコミと日本のマンガとの比較のところ. 少女マンガについては, それを理解するためには別のリテラシが必要とのこと. 「『自分がそのようなことを思っていることを本人さえも意識化してないこと』を記号化私うる能力」 というのが女性にはあって, それに気付けないと少女マンガは読めない (=楽しめない) らしい. 今後, そういう視点で少女マンガを立ち読みしてみようかと思う (傍目からは変わったおじさんに 見られそうだが…)

アメコミの主人公, 日本のロボットマンガの主人公は, それぞれがアメリカ・日本の セルフイメージであるという指摘も興味深かった. 無意識のうちにそういうのを意識して 物語が紡ぎだされてきて, またそれぞれの国民はそれを楽しんでいるというわけか

「アイデアの接着剤」 (水野学, 朝日新聞出版) 読了

タイトルを見ると発想法の本のように感じるが, それだけではなく, 筆者がデザインの仕事をするに あたっての考え方や態度が書かれている本. 「新しい考え」というのはデザインに限らず常に 必要とされているが, それをどう作り上げていくかということに対するキーワードがいくつもあり, 示唆に富む

例えば, 筆者はアイデアの最初の段階では「ヴィジュアル」ではなく「言葉」を手掛かりにして 考えるという. 私は「言葉」→左脳的→発想が広がらないと思ってしまうのだが, 言葉のほうが 「余白」があってアイデアが広がりやすいとのことだ. 往々にして誤解の元が言葉の解釈が人によって 違うことであったりするが, そういう言葉の「あいまいさ」に気付いてそれを活用するのは 面白いと思う

またマーケティングよりも自分のリアルな感覚が大事というのも, そうだと思った. データに頼って良いものができるなら誰でも良いものが作れるはずである. しかし そうは行かないし, それはできないので, 自分の感覚を拠り所にしなければならない. そのためには常に自分をリフレッシュ (何度もフレッシュする) ことが大切だと思った

2010年12月12日日曜日

会社で卓球

会社で卓球. 今日はリーグ戦 + トーナメント. ざくっと総括すると, 勝てそうな人には勝てて, 勝てなそうな人には勝てなかったという感じ. ただし 後者については, セットは取れたとか, いつもよりも点数が多かったとか, 練習を全然していなかった割には点数は良かった. 試合内容は相変わらず イマイチだったけど :-p

卓球をしながら考えたのだが, 自分がサーブを出す前, あるいは相手が サーブを出す前に, ラリーの展開をある程度予測する. このサーブを出すと, 相手はこんな球を返してくるだろうから, そうなったらこうやって打ち返そうとか, 今日はスマッシュが良く決まるから, スマッシュが打てる展開に持っていくにはどうしたら良いかとか, そんなことを考える

これが戦略

戦略のパターンが見えてくると, 何を得意技にできるかとか, そもそも体力が続くのかとか, いろんな課題が出てくる. その課題を, 普段の練習で磨く必要がある

これが戦術

スマッシュばかり練習していても, スマッシュを打てる展開に持っていけないと意味がない. 戦術のつながりを生かす戦略, 逆に想定された戦略を実現するために鍛える戦術. こんなふうに 考えると, 仕事でも「戦略」「戦術」を考えやすいのではないだろうか?

いや, 卓球中は卓球に専念するのがベストなんだろうけどね :-)

2010年12月5日日曜日

2011 年の手帳

ここ 2 年, PILOT の ORDINAL (PD-10-P12A) (見開き 1 週間, バーティカル) を使っていた. しかし来年は, 能率手帳 1413 (見開き 1 週間, バーティカル) に変えた

東京へ出張した際, 八重洲ブックセンターの手帳売り場を見た感想は, 手帳の種類が 非常に増えたということだ. いろんなメーカから個性的な手帳が出ているということもあるが, 今年は日本能率協会や高橋書店などポピュラーなメーカでも種類を増やしてきているように 感じる. そんななかで, 能率手帳シリーズでも私好みの「A6・見開き 1 週間・バーティカル」な 手帳が出てきて, 値段的な魅力もあり (PILOT の ORDINAL は 1365 円, 能率手帳 1413 は 945 円), 今年は能率手帳に乗り換えた

今年出た, コクヨの測量野帳の手帳にも「見開き 1 週間・バーティカル」があり, それと最後まで悩んだのだが, コクヨはシンプルすぎるので断念した. 例えば, 年に 1, 2 回は鉄道路線図の世話になることがあるのだが, そういうときに手帳に 印刷されていると便利なのだ

そういうわけで, 来年は能率手帳 1413 で行きます. でも最近は手帳を使い こなしていない (スケジュール管理は web ベースだから) ので, 来年は新しい手帳を 使いこなす一方, web ベースのスケジュール管理と住み分けて, 効率的な運用も模索したい

「Elements of Technical Writing」 (Robert W. Blye ら, Longman) 読了

工業英検 1 級は 落ちてしまった のだが, 合否が分からないときに 2 次試験対策として購入した本. Technical Writing で気を付けるべきことが, 小さいことから大きなことまで 網羅されていて, 英語の論文を書くとか, 英語の e-mail を書くとか, そういうときに 役に立つ. また本書自体が Technical Writing の良い手本になっていて, 読みやすい

例えば「小数は単数扱いか, それとも複数扱いか?」とか, 「数字が 2 つ並ぶ場合 (2 人の 12 歳の少年, など) はどう書くべきか?」とか, あるいはコンマやピリオドの 使い方など, 普通の英語教育ではスルーされている部分がきちんと書かれていて, 今後の英作文に対して非常に参考になる. 一方で, 関係代名詞の非限定用法と 限定用法の説明など, 日本の (文法中心の) 英語教育ではきちんと教えられている部分が あらためて本書でも取り上げられているのを見ると, 英語圏の人の Technical Writing に 対する位置付けみたいなものも感じられて, 興味深い. 今後, 英文に接するとき, 本書のような知識が頭に入っていると, 英文の読み方・見方が変わると思う

蛇足だが, 円高のおかげで洋書が安い :-)

2010年11月28日日曜日

工業英検 1 級, ダメだった (;_;)

Title Only

今回も判定は A で, 2007 年, 2009 年に続き, 3 回目の A 判定落ち. 昨年の 不合格を踏まえて, 今年は勉強スタイルを変えてみた

  • 準備を 6 月からスタート. 毎週 1 回分の過去問を解いた
  • 勉強する過去問を過去 4 年に絞り, 同じ問題を繰り返して解くことで回答スピードを 上げていった

結果的に回答スピードは上がったのだけど, レベルは自己満足で, 1 級に達していなかった ということだろう

じゃあどうしよう? と思い, 自己満足を break するには外部の講習でも受けるべきかと 考え, テクニカルライティングの教育について調べていたら, 日本テクニカルコミュニケーション協会 (JATEC) というのを 発見し, そこでも年 2 回の試験を行っていることを初めて知った. 問題の毛色も工業英検と少し違う ようなので, 工業英検慣れしてしまった体をリフレッシュするために, 来年 5 月には JATEC の試験を 受けてみようかと思う

また工業英検に戻るなら, Aquaries という ところでも, 講習会を行っているようだ

ちなみに来年は, レベルがどうこうというのは置いといて, 技術士の試験も受けてみようかと 思っている

2010年11月27日土曜日

「悪の教典 (下)」 (貴志祐介, 文藝春秋) 読了

蓮実の行動に不審をもった生徒たちが蓮実のことを調べだすが, 蓮実に殺されてしまう. そんな中, 文化祭の準備でクラス全員が学校に集まった夜, 生徒の不信感をどうしようも できなくなったとき, 蓮実は point of no return を越えていく

慌てる生徒と冷静な蓮実のコントラストが不気味さを増長させていた. 最後に残った 希望も, 蓮実がスタートさせた次のゲームによって恐怖に変わってしまう. 読み始めたら 止まらない, ひきつけられるストーリィではあったけど, 前半の緻密さに対して 後半はちょっと大味だったかなと思う. ともあれ, 第 1 回・ 山田風太郎賞 受賞と いうことで, めでたい

2010年11月23日火曜日

「悪の教典 (上)」 (貴志祐介, 文藝春秋) 読了

高校の英語教師, 蓮実聖司は, 生徒からの人気も高く, また同僚の先生からも 信頼されている. しかし蓮実は, 自分の目的のためには何事も平然と行う人間であり, 高校を自分の王国とするためにあらゆることを行い, そして邪魔な者は排除していった

細かいストーリィは忘れてしまったが, 「黒い家」をさらに真っ黒にしたような 話だと思う. 「頭の良さ」や「冷徹さ」というのはどこにでもあり, それが共存する 人間もありふれていると思うけど, 一見ありふれた人間が突き進んでしまうあたりに 怖さを感じるのか?

上巻の後半では, 私の目から見れば実力行使が多くなりすぎて, つじつまを合わせるために 余計に残酷な方向に進んでいるように感じる. 下巻で, どのように話が収束するのかを 楽しみにしつつ, point of no return を越えていきます

2010年11月21日日曜日

「日経ビジネス Associe 2010/12/7」読了

出張のとき, 移動時間の暇つぶしに, 久しぶりに 日経ビジネス Associe を購入. 特集は「新・整理術」

本誌にも書いてあったが, 「整理術」の歴史は短くなく, 私も同様の本や雑誌の特集を これまでに何度か読んできた. そういう理由もあって, 新発見と呼べるようなものはあまり なかったけど, 頭の整理にはなったかと思う. 例えば引き出しの中にしまっている 電卓やハサミ, ホッチキス (ステイプラ) は机の上のペン立てに立てておけば使いやすいという 発想は, 今後生かしていきたい. その前に, 机の上を占拠している, ここしばらく見ていないような 書類の山を何とかしないと

特集以外に, ある人物に焦点を当てた記事が多く, 今号はむしろそっちのほうが 面白かったように感じる. 巻頭の水木しげるを始め, 麻雀の桜井章一さん, CoCo 壱の店長さん, 水泳コーチの平井伯昌さん, Facebook 推しの勝間和代さんなど, いろいろ勉強になった

「日経ビジネス Associe」は「日経ビジネス」の弟分 (?) 的位置付けのため, リーダー視点というよりもフォロワー視点の記事が多い. そろそろ私も, Associe を卒業する 年頃か?

2010年11月14日日曜日

工業英検 1 級・1 次試験終了

工業英検 1 級の 1 次試験を受けてきた. 大阪会場は, 70 〜 80 人程度の受験者だった. 各問題に対する私の感想は, 次の通り

  1. 和訳. 化学物質が体にいろんな影響を及ぼすという文章. 文章自体はそれほど 難しくないけど, 単語 (腎臓とか肝臓とか) が難しくて時間がかかった
  2. 長文要約 1. 効率的な水の電気分解の方法が開発されて, それが太陽や風力を使った 分散型発電のエネルギ貯蔵に使えそうという話. いろいろ考えて要約したのだが, 結局はざっくりとした英文になってしまった
  3. 2 文を繋げる. 3 問とも, 似たような構造の文章で, 一見すると順接か逆接で繋げば 繋がりそうだった. 少し考えたけど, シンプルに繋げば良かったのかもしれない
  4. 長文要約 2. 量子力学に関する文章で, 話題自体が難しい. 全体を見たつもりだが, 結果的に部分抽出で要約してしまった
  5. 簡潔な文章化. エクササイズにはいろいろ良いことがあるという文章. 同じような 構造の文章が続いたので, 文章をまたいで簡素化することもできたと思うが, それをする勇気はなかった :-p. 簡素化の技を駆使するような英文ではなく, 単にくどいだけの文章だったように思う
  6. 和文英訳 1. 音は横波ではなく, 縦波だよという文章. 「空気分子」なる単語が, そもそも正しいのか, 少し悩んでしまった. 「空気を構成する気体分子のことだろうなぁ」と 意を汲んで, そのまま air molecules としたが, 良かったか? 「横波」, 「縦波」が そのまま和英辞典に出ていて, 助かった
  7. 和文英訳 2. (c) を選択. モバイル機器のバッテリ残量表示は正確さが大切という文章. 「残量」の英語表現に苦しんだ. the amount of battery remaining in mobile equipment とか, rest quantity of battery とか書いてみたが, 怪しさがにじみ出ている

「今年は『はやぶさ』が出題されるだろう」というヤマは外れた :-p

2 問目の長文要約以外を終えたところで, 残り 35min. 過去問を繰り返し解いた成果は 一応出ていて, 問題を解くスピードと英文を書くスピードは速くなったと思う. 長文要約を じっくり考えて, 残り 10min. 後は文章自体を見直して, 単数複数や冠詞のミスを修正して time up

昨年の実績で言うと, 2 週間以内に結果が到着. ドキドキして待ちます

2010年11月13日土曜日

「かもめ食堂」 (群ようこ, 幻冬舎) 読了

主人公の女性が, ヘルシンキでカフェを開業. 最初の頃はお客さんがゼロの日が続いたが, 日本オタクのフィンランド人学生が来たり, ヘルシンキで偶然知り合った日本人女性が 一緒に働くようになるうちに, 徐々に客が増えていく. いろいろなハプニングに見舞われながらも, 充実した毎日を過ごしていく

現実にはなかなかないようなことが, あたかもごく普通のことのように淡々と描かれていて, 面白い話でした. 「国敗れて山河あり」ではないが, 人生いろんなことがあるけれど, 日常は 淡々と流れていくし, そのうち何とかなるもんさということか

ちなみにヘルシンキには, 映画「かもめ食堂」の撮影で使用した cafe が残されていて, お店には「かもめ食堂」というロゴも残されている. ただ私の印象では, 適当にヘルシンキを 歩いてたどり着けるような場所ではなく, ちゃんと地図 (と休業日) を確認しないと到達できないと 思います :-)

マイ手帳

2010 年 11 月 11 日の 日経新聞 夕刊に, 手帳の カスタマイズ法が紹介されていた. 備忘録ということで, リンク先だけ残しておく

大きさなどは別にして, DIY NOTE のような 自作 という発想が面白いと思う

2010年11月7日日曜日

Finland - Tampere

最後はタンペレ (Tampere). 2 つの水位の違う湖を利用した水力発電により, 早くから電気が使えたため, 工業で繁栄した街です. 街を見渡すと, 下の写真のような 煙突が何本も見えます

【タンペレ市立美術館ムーミン谷】 タンペレを訪れた理由の 1 つは, タンペレ市立美術館ムーミン谷 に 行くため. 駅からはちょっと遠いけど, 歩いて行ける距離のところに, 図書館に併設されています. 入り口には, ムーミンの小さな銅像が立ってます

展示の内容としては, ムーミンのお話の名 (?) 場面を再現した箱庭のようなものが数十個展示されて います. 1 つ 1 つが非常に良くできていて, また入り口で各場面を説明した冊子 (日本語での 記述もある) を借りられるので, 説明を読みながら展示を見るのは非常に楽しいです. それ以外にも, トーベ・ヤンソンの挿絵の原画なども展示されてました (常設ではなく企画展だったのかも しれません). それを見て再認識したのはミーの底抜けの明るさ (それの度が越えると, 周りに 迷惑がかかることもある) で, 1990 年頃にアニメ化された「楽しいムーミン一家」 (フィンランドで 毎朝放送されていました!) ではそのあたりがよく表現されていたのかなと感じました

ここの入り口に郵便ポストがあるのですが, ここに葉書を投函すると, ムーミンの 消印が押されます. 私は自宅に葉書を送りました

またムーミングッズのお店もあるので, お土産を探すのも good. タンペレまで来た場合, もしムーミンのタオルや寝具 (ベッドカバー, 枕カバーなど) を探すのならば, 近くにある フィンレイソン のお店まで行くのが良いでしょう

ちなみに街の電飾にも, ムーミンを発見. でもまだ準備中なのか, 光ってませんでした

【ヴァプリイッキ】 ムーミン谷以外でお薦めなのは, ヴァイプリイッキ という博物館. 工業都市・タンペレの歴史が, 工業面や戦争面で様々に展示されていて, ボリューム満点. アイスホッケーや子供のおもちゃ, 靴の展示などもあって, 面白かったです. 喫茶スペースが 広めなので, コーヒーだけでも, しっかり昼食でも OK

2010年11月6日土曜日

Finland - Turku

次は, フィンランド南西部の都市, トゥルク (Turku). トゥルクは, 昔, スウェーデンが フィンランドを支配していたときに拠点となった都市で, スウェーデンの雰囲気が残っている そうです. 例えばトゥルクには「オーボ」というスウェーデン語の都市名も残っています

【トゥルク城】 というわけで, トゥルクのランドマークと言えば, 港の近くにある トゥルク城. 非常に昔の趣が感じられますが, トゥルク城の見学で 注意しないといけないのは, 見学コースがとても長いこと. なので, 見学に際しての 注意点を挙げたいと思います

  • 体力のあるうち, 例えば朝一番とかに行きましょう
  • 体力を温存するため, 徒歩ではなくバス (市バス 1 番, 港行き) かタクシーで行きましょう
  • 見学前にトイレを済ませましょう
  • 見学コースは, 城の中を上下にまわるコースと, 展示エリアをまわるコースの 2 つが あります. 最初の城の中を上下にまわるコースで疲れてしまったら, 十分に休憩を取りましょう

展示は非常に面白くて, お城の歴史以外にフィンランドの風俗なども展示されているのですが, ただ非常にボリュームが多いので, 気を付けましょう

おまけの情報として, トゥルク城の cafe は, Fazer が 経営しています. ケーキとかおいしかったです

【トゥルク大聖堂】 高くそびえる トゥルク大聖堂 は, 大聖堂の中だけ ならば無料で入れて, しかも簡単なパンフレット (日本語あり) ももらえます. あまりにも 申し訳ないので, お礼の代わりに絵葉書を何枚か購入しました

この大聖堂の面白い (?) 点は, ガイドブックなどにも書かれていますが, 床の一部がお墓に なっていて, 床に埋まっている石に埋葬されている人の名前が刻まれているところです. 失礼に ならないように墓碑を避けて歩こうとするのですが, 気付くと踏んでいたりします

【シベリウス博物館】 フィンランドの作曲家, シベリウスの名を冠した シベリウス博物館. シベリウスに 関する展示もあるのですが, それよりも様々な楽器が展示されていて, 私は そっちのほうが面白かったです. 特に地下にあるオルガンの展示は圧巻で, よくまぁこれだけの ものを 1 箇所に集めたものだと感心します

時期にもよりますが, 水曜日に, 18 時入場開始, 19 時演奏開始, 20 時終了というコンサートが 行われます. 18 時から 19 時の間は博物館の展示も見ることができるので, お金を節約する場合は, この時間帯に博物館の見学を済ませてしまうのもありです (じっくり見ようとすると, 1 時間では 足りないですが)

【レストラン】 トゥルクを流れるアウラ川には船上レストランが何件か ありますが, 私が行ったのは Suarte Rudolf というレストラン. 決め手は, 店外にメニューが 掲示されていたことと, 昼間もオープンしていて, 昼間に立ち寄って予約ができたこと. 例に よってトナカイのヒレ肉を食べたのですが, おいしかったです. 付け合せのポテトも, ただのマッシュポテトではなく, ハンバーグ状に成形されたなかに他の野菜も混ぜられていて, おいしかったです

ビールは勧められるままに地元の「アウラビール」をいただきました

2010年11月3日水曜日

Finland - Helsinki

まずはフィンランドの首都, ヘルシンキ. ヘルシンキはコンパクトな街で, トラムや地下鉄などの交通網も 充実しているので, その気になれば短時間で隅々まで見に行くことができ, 観光するには good だと 思いました

【Audio City Tour】 Helsinki Expert がヘルシンキの 観光ツアーをいくつか開催してますが, ヘルシンキの街をざっと把握するために Audio City Tour に参加. 朝 11:00 から 1 時間半, ヘッドホンから流れてくる説明 (日本語の説明もあり) を聞きながら, バスに乗って ヘルシンキをまわります. 料金は 26 EUR とちょっと高めですが, トラムや地下鉄が乗り放題になる Helsinki Card を持っていれば Audio City Tour は 無料で参加できるので, Helsinki Card を使うのがお薦めです. 私は 3 日間有効の Helsinki Card を 購入し, トラムや美術館を無料でまわりました

予約無しでスタート地点のエスプラナーディ公園からバスに乗り込んでも OK ですが, 予約をして ホテルからピックアップしてもらうのも可能で, むしろそっちが better だと思います. ピックアップする ためにバスが主要なホテルをまわるのですが, その際にもヘルシンキの街を小さく 1 周するので, そのほうがお得感があります

【国立博物館】 ヘルシンキにはたくさんの博物館, 美術館がありますが, 私が一番面白く感じたのは, 地味ですが国立博物館 です. フィンランドの歴史的な道具や衣装などが 展示されており, 興味深々です

入り口を入ってすぐのホールの天井には, カレワラをモチーフにした天井画があります

【アラビア工場】 ヘルシンキ駅からトラムで 30 分ほど行くと, 陶器メーカの アラビア の工場があります. ファクトリーショップもあり, 買い物をしに観光客が訪れます. 私は事前に申し込んで, 工場の中を見せてもらいました. 粘土から始まり, カップやお皿の形にして, 焼き固めて, 色や図柄を付ける工程を丁寧に説明してもらいました. 日本語を 話せるガイドさんもいるのですが, たまたま用事で不在とのことで, 英語のガイドさんが付きましたが, 分かりやすく説明してもらいました

最上階の 9F には小さな美術館があり, 歴史的な陶器が展示されてます. ただ工場の事情で美術館が 閉じている (私が行ったときは, 翌日に工場で新製品を発表するイベントがあり, その準備などのために 美術館は閉まっていた) こともあるので, どうしても見たい場合は工場に事前に確認すべきでしょう

カフェやレストラン (食器は当然 arabia や iittala 製) があったり, 私が行ったときは Pentik のお店もあったので, そういうものが好きな人は楽しめるエリアです

【レストラン】 ガイドブックに出ているようなレストランをまわっていたのですが, 唯一, 現地でもらった 地図を頼りに行ったレストランが Savotta. A&S Restaurants というグループ (?) のお店の ようです. 場所は, 元老院広場に面したところにあります. 入り口は地上ですが, テーブルは地下にあり, あまり広くないので「どうしても」という場合は要予約. トナカイ肉の煮込み料理を食べましたが, おいしかったです

2010年10月31日日曜日

Finland に行ってきました

まとまった休みを取って, フィンランドに行ってきました. 訪れたのはヘルシンキ, トゥルク, タンペレの 3 都市. ヘルシンキはフィンランドの首都であり, 大型の船が停泊する港町, トゥルクはスウェーデンの影響が 色濃く残っている古い町, タンペレは煙突が印象的な工業都市と, それぞれに個性的な街でした. 一般的に フィンランドの観光シーズンというと夏か冬で, この時期に都市をまわる観光客は少ない (もっと北へ行くと そろそろオーロラが見られるけど) らしいけど, 日本と同じように紅葉のシーズンで, どんよりと曇った日が 多かったけど, 美しい街並みを見ることができました

3 都市の様子はおいおい紹介することにして, まずは一般的な感想から

【食事】 ガイドブックに載っているようなフィンランド料理, 例えばトナカイ肉, 鮭, ニシンなどは全ておいしかったです. ただ夕食の量が日本人にとっては多めなので, 食事に対する 作戦としては, こんな感じにしていました

  • 朝食 ; ホテルでバイキング. 「全種類食べてやろう」と思うとお腹一杯になってしまうので, ほどほどに
  • 昼食 ; cafe でコーヒーとパンやケーキなどで, 軽めに
  • 夕食 ; レストランで食事. 昼食を軽めにしているので, 早めの 18 時くらいに. フルコースは 食べきれないので, 前菜 + メインとか, メイン + デザートとか

週末や遅い時間帯 (20 時以降) は混雑するので, お目当てのレストランがあるのなら予約する ほうが良いです. 私の場合は, 日中の観光で良さそうなレストランを探し, その日の夕食を予約するようなことを 繰り返してました

【お金】 フィンランドは, 北欧で唯一 (?) ユーロが使える便利な国です. クレジットカードもほぼ全てのお店で使用可能でした. ただし, 私の場合はたまたま 2 つの店で クレジットカードが機能しなかった (理由は不明) なので, 最小限 (例えば夕食を現金で払うとして 50 ~ 100 ユーロ/人くらい?) の現金を持っておいたほうが良いでしょう

IC チップ無しのクレジットカードの場合は, 身分証明書を見せるように言われる場合があるので, パスポートのコピーを持っておくと良いです. IC チップ付きのクレジットカードの場合は, 暗証番号の 入力を要求されると思うので, 要確認です. また IC チップつきの場合は端末を自分で操作する 場合が多いです. クレジットカードを挿して, 暗証番号を押すだけだと思います

【安全】 実感としては, 比較的安全な国だと思います. ただし, 当たり前ですが 一通りの注意 (暗いところに近付かない, 暗証番号を入力するときは周囲を気にする, 人前で財布を 広げない, 知らない人について行かない, etc...) は当然必要です

交通マナーは日本よりも良く, 信号無しの横断歩道の前で立っていると, 車は必ず止まって, 歩行者を 先に行かせます. ただし横断歩道の前に停止線が無いようで, 車が結構ギリギリのところで止まることもあります

【言葉】 公用語はフィンランド語とスウェーデン語ですが, 大抵は英語が通じます. ただし私の場合, 2 度ほど英語が通じない場面があり, それはどちらも固有名詞 (地名) でした. なので 場所を質問する場合などは, 地図を持って話をするのが良いです

【情報】 観光情報は, ホテルや街のインフォメーションセンターに山ほど 置いてあります. 私は観光名所やレストランの載った地図を貰って, それを使って観光したり食事の場所を 探したりしていました. またネット上にも情報が多く, 分からないことはメールで問い合わせると大抵は返事が 帰ってきます (私の場合は 100%). 分からないことは, 積極的に聞くのが吉です

【通信】 ホテルや cafe などでは, 無料で無線 LAN を使える場所も多いです (ホテルで チェックインのときに PC を持っているか聞かれて, Yes の場合は ID とパスワードをもらえるようでした). 一方, 公衆電話は日本よりも少ない感じで, 私は見つけることができませんでした (ホテルのロビーでも見当たらず). ホテルの部屋にある電話を使えばレストランの予約などは問題ないですが, 万一の備えをするならば, ケータイを持っていくと良いでしょう. 私は, 普段使っているケータイが世界対応のものだったので, それをそのまま持っていきました. フィンランドで電源を入れると自動でタイムゾーンや夏時間の設定をしてくれて 便利だったのですが, 日本に帰ってきてから時刻設定が自動で元に戻らずに, 手動でタイムゾーンを変更しました :-p. ちなみにフィンランドの人のケータイは, 多くがスマートフォンのようでした. フルキーボードが付いているの ですが, 「こんな小さいキーをどうやって押すんだ?」というくらい小さいキーでした

I've been to Finland. I visited three cities - Helsinki, Turku, and Tampere. Helsinki is the capital of Finland with harbors. Turku is an old city which was influenced by Sweden. Tampere is an industrial city with many chimneys. It is said that the best seasons to visit Finland are summer and winter. But in fall, you can see leaves changing its colors and falling like in Japan, which makes cities more beautiful.

夜のヘルシンキの大聖堂の写真です. This is a photo of Helsinki Cathedral at night.

2010年10月18日月曜日

平城遷都 1300 年祭

奈良県民, 奈良市民の義務として, 平城遷都 1300 年祭 に ようやく行ってきた. 平城遷都 1300 年祭と言っても有名なのは せんとくん くらいで, 会場では一体何が行われているのかがよく分からなかったのだが, 実際に行ってみることで 少しは分かった気がした

近鉄・大和西大寺駅から奈良交通のシャトルバスに乗って, 会場へ. シャトルバス内の アナウンスによれば, 1300 年祭は朱雀門や大極殿だけが会場というわけではなく, 奈良県内のいろんな神社仏閣が協力して 1 つのイベントを実施しているということらしい

これは, 大極殿を向かって右側から撮影したもの. 入場無料. いい天気. お年寄りと修学旅行生が 多かった. 修学旅行生は, こんないい天気なのに制服の上着を着せられて大変そうだ

エリア内にあるベンチ. 木の組み方がいい感じ

大極殿は無料だし, 有料の展示もそれほど高くないので, 行くことに対する敷居はそれほど 高くない. しかしこれだけではインパクトが不十分だと思うので, 他の神社仏閣ともうまく連携して, 多くの観光客を呼び込めれば, 奈良はもっと栄えるのではないか? そのためには道を 広くするとか, ホテルを作るとか, 課題は多いんだけどね

2010年10月17日日曜日

「音楽嗜好症」 (オリヴァー・サックス, 早川書房) 読了

音楽と脳の不思議な関係を, 精神科医が豊富な事例で説明している本. 事故にあってから頭の中で音楽が鳴り続けたり, 逆に音楽の一部の要素が 理解できなくなる人や, 精神病の結果として音楽が好きになったり 音楽の才能が開花する人がいるなど, 非常に興味深い

例えば, 歌ならば普通の人でも何十曲, 何百曲と覚えられるけど, 普通の小説では 1 ページを覚えるのも大変である. こんなことからも, 音楽には不思議な作用があることが実感できる

2010年10月10日日曜日

来年の手帳をどうするか?

今年も最後のクォーターに突入し, そろそろ雑誌でも手帳の特集が組まれるようになって, 来年の手帳をどうしようか少し考え始めている. 私が, 今, 使っている手帳やノートの類は 次の通りだ

  • いわゆる手帳 ; 何時に何をする (した) とか, 使った金額などをメモしている. 見開き 1 週間で, バーティカルタイプ
  • 業務用のノート ; 仕事でメインに使っている A4 方眼ノート
  • ToDo のノート ; これも A4 方眼ノートだが, 1 ページで 1 週間分の ToDo をメモしている
  • 本のメモ ; A6 サイズのノートで, 新聞などで気になった本や雑誌のタイトルをメモしている
  • 気付きメモ ; A6 サイズのノートで, 日々の生活で頭に引っかかったこととか気付いたことを メモしている. 使用頻度はそれほど高くない
  • 読書ノート ; 本を読んだら, 1 冊 1 ページ以内でメモを書く
  • A7 のメモ帳 ; 使い捨てのメモ帳. 電車の中とか, とりあえず何か書いておきたいときにメモ. 後でどこかに転記するのがルール
  • A6 のメモ帳 ; 最近仲間に加わったメモ帳. 業務用 A4 ノートを持ち運ぶには少し重いけど, それなりの分量のメモを取りたいときに持っていけるように購入. メモ後は切り離して, 業務用ノートに貼り付けるつもり
  • (ノートではないけど) 会社の web でのスケジュール管理システム ; 予定の記入は, 実は web がメインで, 手帳がサブになっている :-p

リストアップするとたくさんある. 実は紙の手帳は不要で, web に入力したスケジュールを 定期的に印刷して持ち歩けば OK という気がしている. また, 最近購入した「A6 のメモ帳」を 手帳と一体化 (後でリフィルを追加できるようにすれば良い) すると楽になるという気もする.

もう少し悩んでみます

2010年10月3日日曜日

「日本人へ・国家と歴史篇」 (塩野七生, 文春新書) 読了

文藝春秋に連載されていたものを, 1 冊の本にまとめたもの. イタリアからの視点で日本を捉えた言葉が, いちいち腑に落ちた. 特に, 外交問題が顕在化している今日に, 強い説得力を持つ言葉が 多かった

何事も, 完璧を期している限りは実現しない, とか, 全員を救おうとすれば一人も救えなくなるという, 人間社会の厳しい現実 (事業仕分けに対して) など, 肝に命じておくべき言葉がたくさんあった. 「日本人へ・リーダー篇」というのも出ているので, 読んでおきたい

2010年9月26日日曜日

Eraser / 消しゴム

This is my eraser. I bought it four or five years ago, when I took an examination of technical illustration. And I think this will be the last eraser unless I lose it, because I do not often use pencils now.

I wonder how many erasers are needed in my life. If I use them carefully, only less than ten erasers are required. But when I go to the stationary shop, I find that many erasers are sold. Considering the population, too many erasers are manufactured, and most of them are lost, aren't they? It's a pity...

これは, 私が今使っている消しゴムの写真で, 4, 5 年前に買ったもの. ちょうどテクニカルイラストの検定試験を受けるときに, 現役で使っていた消しゴムを 置いてきてしまったので, 新規に購入したものだ. そして普段はそんなに使わないので, この消しゴムが, 多分,生涯で最後の消しゴムかな? と思う

ときどき, 一生涯で必要な消しゴムの数ってどれくらいだろう? とか思う. 気をつけて使えば 10 個もあれば十分ではないだろうか? でもお店に行くと たくさんの消しゴムが売られていて, 人口を考えても多すぎる消しゴムが生産されているように 感じる. ということは, ほとんどの消しゴムは途中でどっかへ行ってしまっているのではないか? とか思う. 悲しいことである

効率と修行

仕事や生活面でよく「効率的に‥」などと言われる. 例えば勉強するにしても, その道に詳しい先生や本に接することで, 効率的に知識を吸収できる. けど, このような効率的な方法では, 教えてくれる先生や本を越えることはできないんじゃないだろうか?

今年の 11 月に 3 度目の 工業英検 1 級のチャレンジをする 私は, これまでの「効率」的な勉強法から, 言わば「修行」的な勉強法に切り換えた. 何を しているのかというと, 過去 4 年分の問題をひたすら繰り返して解いている. 過去 4 年に した理由は, それくらいやればおおよそ全ての出題パターンは網羅できるだろうという考えから. ひたすら繰り返す理由は, 仮りに合格点が 80 点だとしても, 80 点で満足せずに 100 点を狙うことでレベルを上げるためである

例えば禅問答では, 師の出す課題を弟子が考えるが, 師は答えを言わない. これは 答えの正誤に着目しているわけではなく, 答えを考える過程を重視しているからだと思う. 武道の上段者も似たようなもので, 上段者に教える人などいないから, 上段者は多分, ひたすら基礎を繰り返すことで自己を高め, より高いレベルを目指しているのだと思う. これと同じようなことを, 英語の勉強に取り入れたつもりである

こういったことは, 非効率である. 普通の視点で考えれば, 武道の 5 段と 6 段は 一緒かもしれない (普通の暴漢なら倒せる) し, 工業英検の 2 級と 1 級は同じかもしれない (給料に手当てが付くわけでもない) し, テストの 80 点と 100 点は同じかもしれない (試験に合格していれば 80 点も 100 点も一緒だ). しかしこのような「効率」ではなく, 「修行」をしないと届かない世界もあり, 工業英検 1 級はそういう世界なのではないか? と思って, 今はひたすら同じ問題を解き 続けている. 新しい知識を身に付けるという「効率」ワールドの住民から見れば非効率な ことをしているように見えるが, やってる当人は「修行」と開き直れば「効率」の誘惑に 打ち勝てる

今年, 「効率」だけでは到達できない世界に, 私もたどり着けるだろうか?

P.S. 日本工業英語協会 の web page を見たら, 来年度から 1 級の試験回数が年 2 回になった. これの恩恵を受ける前にケリを付けたい

2010年9月25日土曜日

「カラフル」 (森絵都, 文春文庫) 読了

罪を犯して死んだ魂が, 本来は輪廻のサイクルから外れてしまうところを, 抽選 (!) に当たったため地上に戻って修行するチャンスを与えられる. 地上でその魂に与えられた体は, 中学 3 年生で自殺をした男の子のもの. その男の子になりかわって生活していくうちに自殺した原因を知り, 鬱々とした日々を過ごす

誰もが傷を抱えて生きているけど, そうなんだけど世の中には良い事が溢れているという ことが, 押し付けがましくなく伝わってくる. レンタルが始まったら, アニメ版も見てみたい

2010年9月18日土曜日

「芸術新潮 2010 年 8 月号」 読了

特集は「水木しげる・その美と特質」. 鬼太郎, 悪魔くん, 河童の三平などの 作品を振り返りつつ, 水木の戦争体験や紙芝居, 貸本, マンガの足跡をたどる. 「意外な真実」みたいな驚きは無かったが, 水木しげるの絵は努力の上に 成り立っているという認識を新たにした

「蒼路の旅人」 (上橋菜穂子, 新潮文庫) 読了

南の国, タルシュ帝国が, その侵略の手をサンガル王国から新ヨゴ皇国へ伸ばす. 新ヨゴ皇国の王と対立する皇太子・チャグムは, 解決のための旅に出る

新ヨゴ皇国という小国の, しかも王と対立する皇太子のチャグムは, 自分の今の力の限界を見極めつつも, 民のために何ができるかを考えて, 行動に移す. 続きが楽しみである

Moving my web pages to XREA

Several days ago, I got an e-mail from Infoseek/Rakuten, and it said that the free web page service called "isweb light", which I have used for many years, will be closed at the end of October. To continue showing my web pages, I must search another free web page service.

Fortunately, I have an account on XREA, so I transfered my web pages to XREA this morning. I think there is no trouble around my web pages on XREA, but if you have any troubles, don't hesitate to ask me.

/.-j でも 話題になった が, 私が長年使用していた「isweb ライト」というサービスが 10 月末という短期間で終了となってしまうことになった. 最近はほとんど休眠状態のページ群だが, 捨ててしまうのは惜しいので, 別の無料サービスを探すことに

幸い, XREA にもアカウントを持っていた (こっちも重度の休眠状態) ので, ひとまず XREA にデータを転送. 一部の設定はいまだ変更中だけど. 多分これで OK のはず. 私のページを見てくれている奇特な方がいて, もし運悪くエラーに遭遇したら, 連絡を もらえると助かります

blog や twitter などお手軽なサービスで好きなことを書き散らかすことができると, 私自身もしっかりとした web page を作りたいという欲が薄れてしまっている気がする. 更新されないページが多い → ページビューが少ない → 広告媒体としての価値が低い → もうからない, ということは分かるけど, 告知から 1.5 か月で終了というのは 短くないか? そもそも「isweb ライト」は Tripod から引き継いだものということを 考えると, 引き継いだ情報を捨ててしまうというところの責任感みたいなところに, ちょっと腑に落ちないところもある

2010年9月12日日曜日

時間に対する感覚

先日, 出張に出た際, 電車の乗り換えのタイミングで弁当を買うことになった. 乗り換えの時間はそれほど無かったので, 私は駅の売店で買おうと思っていたのだが, 一緒に行った人はデパ地下に行くと言う. 私も着いて行って弁当を買い, 駅のホームへ行くと, 1 分くらいの余裕で電車に間に合った

もう 1 つ, これも出張のときの話だけど, 出先で少し遅くなったので 電車の時間を変更した. 私は 30min くらい先の電車に変更して, お土産屋でも ぶらぶらしようと思っていた. けれど一緒に行った人は 15min 後くらいの電車にして, お土産にビールとつまみも買って, 無事間に合った

私は約束した時間に遅れるのが嫌い (遅れないことに拘っているという感じか?) なので, 時間に対してかなり余裕をもって行動している. 目的地に 30min 前に着いて, 本屋で 時間を潰すというのはザラだ. でも, 時間の感覚が違う人と行動を共にすると, 時間に対する余裕度をもう少し短くしても良いのかな? とも思った. 日頃から, 行動に対する時間の目安 (弁当を買うのに○min, お土産を見るのに○min という感覚) に 注意すると, 良いことがあるのかもしれない

今度, 独りで出張するときも, デパ地下で弁当を買ってみよう

「やっちゃれ、やっちゃれ !」 (坂東眞砂子, 文藝春秋) 読了

住民投票の結果, 高知県が日本国から独立した. 世界的に認知してもらうために 諸外国を回って承認を集める一方, 日本国との物価の違いから日本国からの輸入品の 値段が上がり, 住民は不便な生活を強いられる. そんな中, ある事件が起こり, 独立の動きに変化が生じる

各世代で, 自分の信じる道を進む女性を描いた, 坂東らしい作品. ただし 舞台設定が現代なので, 高知県の独立という非現実的な話なのにもかかわらず, 非常にリアリティがあって面白かった. 女性に従属するものとして男性が描かれることが 多いが, そんな中で長谷と悠斗のやりとりが心に残った

2010年9月5日日曜日

「6 ステイン」 (福井晴敏, 講談社) 読了

緊迫感のある短編 6 つ. 福井晴敏の長編のエッセンスを, いろんな立場の人を 主人公にして物語にした感じ. 「畳算」の破れかぶれ感とか, 「920 を待ちながら」の ギリギリ感が良かった

特に規律が重視される自衛隊組織, 上からの命令に疑問などを挟まずに従うことを 求められる人々が, そうとは分かっていても押し殺し切れない自分と対峙し, ギリギリの ところで選択を迫られる緊張感. 物語の世界とは言え, 人間らしさとは何かと 考えてしまう

2010年8月29日日曜日

「獣の奏者 II 王獣編」 (上橋菜穂子, 講談社) 読了

エリンは真王の象徴である王獣と意思の疎通ができるようになったが, 王獣の潜在的なパワーを使って政治を動かそうとする人々の思惑に巻き込まれていく. 霧の民として死を選択した母のことを考えつつも, エリンは自分の歩むべき道を 見極めていく

国にとって何が良いのか? 王獣にとって何が良いのか? を考えることが, 現在の国と国との関係や, 兵器に対する態度などとオーバーラップした. 理想はあくまでも理想で, 現実的にはある種の力を背景にした平和しか 無いのだろうか?

「獣の奏者」は III と IV が出ているが. 図書館の予約人数がかなり多く, 読めるまでにはもう少し時間がかかりそう

2010年8月21日土曜日

「小説 東のエデン」 (神山健治, メディアファクトリー) 読了

TV アニメ「東のエデン」の小説版. 高額の電子マネーが振り込まれているケータイを持つ 滝沢朗は, 自分の意思で記憶を無くしていた. 自分が何をしようとしていたのかを探るうちに, 他にケータイを持つ人間が何をしようとしているのかを知り, それを食い止めようとする

TV アニメを正確になぞり, プラスして登場人物の背景など細かな描写が追加されている. TV アニメのスピーディな展開についていけなかった人にお薦め. ただ TV アニメ版までの 内容しか書かれていないため, 続きが気になる私のような人はやはり映画を見るしかないのだろうか?

「死ねばいいのに」 (京極夏彦, 講談社) 読了

亜佐美が死んだ. 亜佐美と 4 回会っただけの健也は, 亜佐美のことをもっと知るために, 亜佐美を知っている人々のもとを訪れ, 亜佐美の話を聞こうとするが…

私が思ったのは, いろんな不満があったとしても, それを他人や運のせいにしているうちは単なる愚痴であり, 解決には結びつかない. 嫌でも自分を変化させるほうが手っ取り早いということ. もう 1 つは, 他人の話を素直に聞くということは難しいということ. どうしても自分の主観に当てはめようと してしまいがちなのだ

健也は喪黒福造っぽい気がした

2010年8月15日日曜日

ナノブロック・ピアノ

日経新聞でも紹介されていて気になっていた ナノブロック, ようやくピアノを手に入れたので作ってみた

袋を開けると, 説明書と, 小分けされたパーツが入っている

途中まで組み立てたところ, 上部と足ができている

これで完成. 所要時間は 40min くらい. 思ったより時間がかかった :-) よく見ると 周囲に部品がちらばっているのが分かるかもしれないが, 少し余分にパーツが入っていた

パーツの拡大. 2x8, 2x4, 2x2 は真ん中にゲートがあるが, 1x4, 1x2, 1x1 は突起の中央に ゲートがある. ゲートからの距離によって, 突起の充填具合 (ヒケ具合) が微妙に違っていて面白い. 最終充填位置が突起部になっているようで, 樹脂が会合しているような跡も見られた

組み立てた感想は, やることは単純なのだが, 小ささと複雑さ (説明書通りに作る必要がある) から 思ったよりも時間が掛かったなぁということ. ピアノはレベル 2 なのだが, リアルホビーシリーズの 姫路城とかになるとどんだけ時間がかかるんだろう?

ブロックと言うとレゴが思い浮かぶが, ダイヤブロックナノブロック (メーカは一緒だけど) など 国産メーカにも頑張ってほしい. でもナノブロックというネーミングは, ちょっと思い切りすぎたと思うけど :-) でも小さいものを愛でるのは日本人らしくて良い

「獣の奏者 I 闘蛇編」 (上橋菜穂子, 講談社) 読了

エリンの母・ソヨンは戦闘用の獣・闘蛇の管理を任されていたのだが, ある日, 一群の闘蛇が死んでしまい, ソヨンは責任を負って処刑されてしまう. 独りになったエリンは蜂飼いのジョウンと暮らすようになり, 生き物に興味を抱きながら成長する

不安定感のある政治情勢, 政治と密接に関わる王獣と闘蛇, そしてこれらの 生き物に強く関心を抱く霧の民・エリンと, 役者が揃っている. 間をあけずに 次に進みます

「ブリューゲル版画の世界」展 in Bunkamura ザ・ミュージアム

「ブリューゲル版画の世界」展に行ってきた. 新聞や駅の広告では, 奇想天外な銅版画が使われていたが, 私が見た印象としてはそういうものはむしろ少数派で, 田園風景などの版画などが多かったように思う. 16 世紀に制作された精緻な銅版画を生で見ることができて, 非常に良い経験だった.

例えば影はベタで塗ることはできないので, 細い線で陰影を表現する. そんな表現の 制約の中でも, 奥行き感のある版画を作れるというのは驚きだった

2010年8月14日土曜日

「サマーウォーズ」 on TV

2009 年夏公開の映画. 祖母の 90 歳の誕生日に祖母を喜ばせようと思い, 孫の女性高校生が, 後輩の男の子を彼氏と偽って祖母の家へ連れて行く. 一方, 現実世界のあらゆるインフラと繋がり, またユーザ同士のコミュニケーションも可能な 仮想空間 OZ (オズ) で管理者用のパスワードが破られ, ユーザのアカウントが次々に乗っとられるという事件が発生. 現実の世界も大混乱する

パスワードは人間の手計算レベルでは破れないよとか, 冷めた目で見れば「ここはどうかなぁ」という箇所が無いわけでは無いが, アニメだしまぁいいかと思わせるほどに引き付けられるストーリィ展開であったり, アニメ表現だったりした. 仮想空間をメタファをつかって映像として表現したり, アニメならではの自由度を生かしつつ, きっちりと通した筋に沿って丁寧にストーリィが展開されていて very good だった. 個人的には, イカ釣り漁船のおじさんの声が波平さんと同じ (永井一郎さん) だったのだが, 落ち着いている波平さんからは想像できないくらいの元気な声・セリフがよかった.

はやぶさが無事に帰還し, また Twitter などのコミュニケーションツールの認知度が 上がってきたこの時期に再放送できたのは, 良いタイミングだと思った

2010年8月13日金曜日

「オルセー美術館展 2010」 @ 国立新美術館

東京・六本木の 国立新美術館 で 行われている「オルセー美術館展 2010」へ 行ってきた. 会期末が近いこともあり, 夕方に行ったのにも関わらず, 入り口では 70 分待ちと言われる. 仕方がないのでそのまま並んでいると, 結果的には 30 分くらいで中へ入ることができた

オルセー美術館から有名な絵画が来ているということだけで見に行ったのだが, 実は私は絵画に対してはポジティブでもネガティブでもなく, ニュートラル. ゴッホの自画像など有名な絵もあって「おぉっ」とも思ったが, 一番気に入ったのは ヴァロットンの「ボール (ボールで遊ぶ子供のいる公園)」かな? 上から俯瞰する視点と, 日常を切り取った何気ない風景が良かった

昔そこに建っていた旧陸軍の建物が, バームクーヘンの一片のように切り取られて保存されている姿も面白かった

「数えずの井戸」 (京極夏彦, 中央公論新社) 読了

役無しの直参旗本, 青山播磨が, 次期若年寄の噂のある大久保家の姫君, 吉羅と結婚することになる. ただし, 青山家の家宝の皿を, 大久保家に献上するのが条件. 日常に満たされない播磨の周りで, 側用人の十太夫たちが皿を探すも, 見つからない. そんな中, 青山家の家風を知るためと吉羅が青山家に寝泊りするようになり, また十太夫が面倒を見ていた長屋の娘, 菊が, 奉公人として青山家にやってくる. そして吉羅とその使用人, 青山家の使用人, 菊の間でトラブルがおこる

播磨にしろ吉羅にしろ, また十太夫にしろ菊にしろ, 自分の立場や自分はこうすべきという思いに基づいて行動したのだが, 結果として悲劇になってしまったのは, 悲しいことである. 悪人がいないわけではないが, 悪人が直接的に悲劇のトリガを引いたのではなく, 個人個人の良かれと思って行動したのだが, 全体としては悪い方向に向かってしまったのは, やはり運命なのだろうか? 多少, 考えに無理があったり, 御都合主義的な展開が無いこともないが, 面白い話でした

「借りぐらしのアリエッティ」

※公開して間もない映画を話題としています. 読む, 読まないの判断は慎重にお願いします

床下に住む小人の家族は, 人間のものを少しずつ借りながら生活していた. しかしある日, 小人の少女・アリエッティが男の子に見つかってしまう. 小人の生活を守って生き続けていくために 引っ越しを考える小人の家族と, 小人の生きる姿から勇気をもらう男の子の話

宮崎の企画ではあるが, 宮崎が監督をしていないということで話題になっている作品である. しかし, 絵面的には今までの宮崎作品・ジブリ作品のパッチワークのように見えた. 宮崎が制作に関与しないジブリ作品のレベルの高さを示しつつ, 一方で, 宮崎が制作に関与しないジブリ作品の上限を見た気がする. 宮崎が率いるジブリのスタッフが作った作品だし, だからこそ期待を裏切らない「ジブリ」らしい作品に仕上がっていると考えることもできるが, 私としては, 宮崎ではない監督の作品であるならば, もう少し違った絵を見たかった

音楽は, 主題歌を含めて外国製. 小人の世界という異界を表現するために日本人が聞き慣れない 音楽を持ってきたのは当たりだと思う. ただ, 「聞き慣れない音楽」という印象が強すぎて, BGM としての音表現の深さみたいなものは感じられなかった. 映画作品を通じて「音とはこうあるべき」 という哲学が, この映画では「音は異界を表現するもの」となっているような気がして, それだけでは少し寂しいなぁと感じた

最後に落穂拾い. 背景の動かし方やフォーカスの変え方など, アニメとしては (多分) 新しい 表現もあり, そういうチャレンジングなところは Good. 小人がお茶を入れるシーンなど, 小さいが故に表面張力の効果を大袈裟に表現したところは面白かった. しかし 一方で, 大きさの統一感のイマイチな部分が気になったり (例えばアリエッティの髪を止める 洗濯バサミと男の子の指の大きさの比較など), 小さくなることの影響は表面張力以外にも あるのではないだろうか? と疑ってしまったり (人間を縮小しただけなら虫と同じ スピードで動くのは無理だろうとか, 両面テープで壁を登るのは多分無理とか) したところに, 自分の器の小ささを再認識した. 人間が増える一方で小人たちが減っていくという悲しい背景は, 鬼太郎と一緒だなぁとか思ったりした

2010年8月8日日曜日

大人は面倒くさがり屋なのだ

昨日, ボタン電池を買いに行った. 直径 6mm くらいの電池で, 型番は刻印されているものの非常に読みにくい. だから電池そのものを持って, 電気屋に向かった

電気屋に着いて, 店員さんに電池を見せて「これと同じのを下さい」と 言おうと思ったのだが, 思い直して, 自分で型番を凝視して, 棚から 同じ電池を探してレジに持っていった

店員さんに電池を見せるということは, 大袈裟に言えば電池を探すことの 責任を他人に転嫁することである. 私の肩の荷は降りるが, そういう 緊張感がないと人としてふにゃふにゃになってしまうんじゃないか? と思った. で, 電池選択の全責任を自分で負うため, 自分で型番を調べたのだ

そもそも店員さんに電池を見てもらおうと思った理由は, 自分で見るのが面倒だったからだ. 最近, ちょっとしたことが徐々に面倒に なってきた気がする. 簡単な計算でもすぐに電卓を出したり, 机の周りの 整理整頓が中途半端だったり, 会話の中でモノの名前を「あれ」で誤魔化したり, いろいろある. でも自分に適度なプレッシャーをかけてないと, 面倒くさがり病が蔓延しそうで, 要注意だ

子供の頃, トランプの神経衰弱が得意だった. あぁ, 自分は大人よりも 記憶力があるのだなぁと当時は思ったのだが, 今にして思えば大人は トランプの札を覚えるのが面倒なだけだったのかもしれない :-)

「怪 vol.0030」 (カドカワムック 352) 読了

特集は遠野と鐵だが, この号は面白い話が満載だった

第 2 特集の鐵は, 鐵の周辺の神や妖怪の話. たたらで鐵 (玉鋼) を作るのは大仕事で, どんなにヒトが頑張っても制御しきれない部分が残る. 文字通り「人事を尽くして天命を待つ」であり, 神頼みでもしないとやってらんないよーという状況だったのだろうと思った

アウトサイダー・アートは, 確か以前の号でもたびたび取り上げられていたと思うが, そのときは実は私には面白さが分からなかったのだ. しかし今回取り上げられている作品は, 強烈である. 確かにこれを見た者は, どう理解すれば良いのか戸惑うだろうが, そういうところをひっくるめて強烈だった

強烈といえば, 台湾の道教巡りも強烈だ. こういうことを考えられる人が近くの国にいると いうことだけでも凄い

その他, 盆踊りや軍艦島の葬式は, 8 月という時期を逃すことなく良いタイミングの 記事だった. 木島物語はだんだん話が主観的になっていくようで, 少しずつ前後関係が 分からなくなっていっているのだが, そういうところも含めて雰囲気が良い. 京極の話が 無い (豆腐小僧は考えないとして :-p) のは寂しいが, 私にとっては読みどころ満載の号でした

2010年8月1日日曜日

はさみ

私が家で使っているはさみの写真である. 幼稚園の頃に使っていたものを そのまま使い続けていると思っているのだが, この文章を書こうと思ってよくよく思い出してみると, 私が使っていたはさみはもう少し大きいものだったような記憶もあり, ひょっとしたらこれは 兄弟のものだったのかもしれない. でも時代的には, 30 年以上前のもので間違いない

プラモデルを作る際にランナを切ったりするなど, かなり無理な使い方をしてきた. でも今なお紙を切るなら全く問題ない. ちょっと錆びついているが, ここ十数年は錆びも広がっているようには感じず, まだまだ使える

ちなみに会社では, 大学時代に購入した今時のはさみを使っている. こちらは紙しか切らないように心掛けているし, この歳になると紙をはさみで切ることも多くないので, いまだ切れ味抜群である

2010年7月19日月曜日

「夜は短し歩けよ乙女」 (森見登美彦, 角川書店) 読了

大学のクラブの後輩の女性と仲良くなるために, 必死で外堀を埋め続ける私. 彼女は京都の街を飲み歩き, 古本市に行き, 学園祭に行き, 病人を見舞う. その彼女との距離を少しでも縮めるために奮闘する私と, 周囲のユニークな人々とのやり取りが, すっきりと描かれている. 「太陽の塔」よりも分かりやすく, 「四畳半神話体系」よりもあっさりと していて, 良いストーリィだと思った

樋口さんは, 地に足をつけた生き方をしていないから, 空を飛ぶことができる. なるほどなぁと思ってしまった :-)

2010年7月18日日曜日

「ガロアの群論」 (中村亨, ブルーバックス B-1684)

中学校の数学で 2 次方程式の解の公式というのが出てきて, 誰もがお経のように暗唱する. ちょっと欲が出ると「3 次方程式の解の公式ってあるんですかー?」 とか質問する生徒がいたりするのだが, そこで数学教師は必ず決めセリフを吐く. 曰く「5 次以上の方程式には, 階の公式がないんだよ」. もちろん, 5 次方程式でも解けるものはあるのだが, 解の公式として一般的に書き表すことはできない. 何故だ? その理由を, 本書はタイトル通り「ガロアの群論」によって説明している. 方程式の係数の有理式が, 解を入れ換えること (解の置換) で変化するかしないかという, 方程式を解くことと無関係に見える議論からスタートする本書は, 決して難解というわけではないが, 気を抜くとよく分からなくなってしまう. 私は 2 度通読して, 雰囲気だけは何とか掴めた気がするが, 時間をおいてまた何度か読んでみたい. ガロアは 19 歳までにこんなことを考えていたのだ. 私も同じ人間なのだから, 時間をかければきっと分かるはずだ

要は, 方程式のガロア群の正規列が, 5 次方程式の場合, 最初に出てくる 5 次対称群 S5 の 正規部分群が 5 次交代群 A5 になり, A5 には自明な正規部分群しかないため「正規部分群に 含まれる順列の数が素数分の 1 にならなければならない」という要求を満たせなくなるから, 5 次方程式の解は係数で代数的に表現できないのだ. 分かったような顔をして書いている私だが, 「5 次対称群 S5 の正規部分群が 5 次交代群 A5 になり, A5 には自明な正規部分群しかない」という あたりは未だに消化不良だ. 本書に記されていない 4 次方程式の場合はどうなるのだろう?

ただこれが分かると, 例えば 正 17 角形 などが作図できることが説明できるなど, 副産物も多い. 久しぶりに数学関連で面白い本を 読んだという感じだ. 理解はまだ半分だけど:-p

2010年7月11日日曜日

「太陽の塔」 (森見登美彦, 新潮社) 読了

京大農学部 5 回生 (休学中) の主人公・森本と, その友人たちが過ごす, クリスマス・イブまでの数日間 (十数日間?) を描いた話. 森本は昨年, 彼女と分かれたのだが, まだ「研究」と称して観察を続け, それに気付いた 彼女の同級生・遠藤は, 勝手にその観察を妨害しようとするが, ちょっとしたきっかけで森本と遠藤は仲良くなってしまう. 本書は 2003 年の第 15 回日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作 「太陽の塔 / ピレネーの城」を改題・加筆したものだが, 最初は読み進めてもファンタジーが見当たらず「何故にファンタジーノベル大賞か?」 と思ったが, 日常生活に何気なく挿入されているファンタジーは爽やかだった

森本と遠藤が見た太陽の塔は何だったのかとか, 飾磨の夢玉はあれで終わりかとか, 海老塚先輩はどういう経緯で今の職業に就いたのかとか, 知りたいディテールがたくさん残されたままストーリィが終わっていて, 私としてはちょっと物足りない感じも残るけど, ストーリィ全体から 受ける印象は good でした. 続いて「夜は短し…」に進みます

2010年7月10日土曜日

アニメ, 一区切り

最近, Twitter でつぶやくだけで満足してしまい, TV のまとまった感想を残していないことに 気付いた. 律儀な性格 :-) なので, 少し振り返っておきたい

まず, 2010 年 1 月 〜 3 月

  • ソ・ラ・ノ・ヲ・ト ; オリジナルのアニメを作るという アニメノチカラ のシリーズの 1 作目. 10 代の女の子たちが要塞を守るという話. 日本とヨーロッパをごっちゃにした設定とか, ストーリィの見せ方は面白いけど, ストーリィ自体は 最初はいまいちかなぁと思ったのだが, 他に見るアニメが無かったので見続けていたら, 最後になってスピード感のあるいい話になったと思う. 垂直の壁を駆け登る タケミカヅチの勇姿は, 忘れられない.

続いて, 2010 年 4 月 〜 6 月

  • 閃光のナイトレイド ; アニメノチカラの 2 作目. 時代は満州事変の前後. 関東軍を離れた一個中隊を探すために, 特別な能力を持つ 4 人が 集められ, 特殊な任務に就くという話. 葉加瀬太郎が作曲したバイオリンのテーマ曲や, ときには中国語やロシア語を喋る本格指向 (?) が売りだった. 1 話目のスピード感は良かった のだが, 途中で総集編が挟まったり, 猫を追いかけるだけで 1 話が終わってしまったりと, ストーリィの割り振りがイマイチだった. ラストは意味深だったけど, 少し盛り上がりに 欠けた感じがした
  • 四畳半神話体系 ; 老舗の ノイタミナ 系列. 森見登美彦の原作を うまく編集してアニメ化したと思うが, 最後の 2 回が原作寄りで, それまでの 回と印象が変わってしまったように感じた. 大島ミチルの BGM がとても良いが, 主人公の喋りがそれを消していて, もったいない. やくしまるえつこのエンディングも 良かった
  • さらいや五葉 ; これも ノイタミナ 系列. 江戸時代, うだつのあがらない 浪人が, 人さらいを生業にする「五葉」一味に加わる話. それぞれに味のある キャラクタ, サザエさんを真似た次回予告などの面白みはあったが, 私は 音楽はいまいちだったと思う (古風な感じをわざと出したように聞こえた). ストーリィはまぁ良かったです

そして 2010 年 7 月〜

  • 世紀末オカルト学園 ; アニメノチカラの 3 作目. 1 話目だけ見たけど, オカルト好きの父が作った学校を, 父の死を きっかけに娘が引き継ぐが, 不思議なことが起こるという話だと思う. 中途半端に コミカルな感じがいまいちだし, キャラの動きもどこかで見た感じがした (カエルを食べたカオナシとか, 首を切られたシシ神とか). しょこたんのオープニング, 老舗も混じってる声優陣, そうは言ってもオリジナル作品ということで, もう少し 見続けます
  • 屍鬼 ; ノイタミナ系列. 小野不由美の 屍鬼だ. 関西地区ではまだ放映されていないが, BAKU-TICK がオープニングを歌う など, 興味津々

今期は, たまたま重なった怖い系のアニメで行きます

2010年7月4日日曜日

変化せよ, 意図的に / Change yourself intentionally

今, 工業英検 1 級取得に向けて, 過去問を解いている. 1 年前に勉強していたときのノートが残っていたのでちょっと見返してみると, 1 年前も同じような雰囲気の解答をしていることに気付いた. TOEIC の勉強などで少し英語のレベルが上がったかと思ったけど, 大して変わっていなかったのだ, 実際は

環境が変化すれば, それに合わせて自分も少し変わるけど, そのスピードはそれほど速くはない. やはり変わるためには, 自らが意図的に変わっていく必要があり, そのためには変化後の姿を明確にイメージすることが必要なのではないか? 環境に流されるように変わるのではなく, 意図的に, 目指す姿に変わろうとすることが大事なのだ

意図的に変わる 1 つの手段として, たまにはこれを英語でも書いてみよう

Now I am studying English to achieve the 1st grade of the Technical Writing, and I am solving questions made for past exams. There is a notebook I used one year ago. I checked it, finding that I make answers even now just like one year ago. I think my English skill is getting better because of the study for TOEIC, but in fact, my English skill (technical writing skill) is almost same as one year ago.

When my surroundings change, I will also change a little suitable for the surroundings, but the speed of changing is not so fast. To change myself, it is necessary to change myself intentionally. To do that, it is necessary to imagine myself in the future clearly. It is important to change myself intentionally to what I want to be, instead of changing owing to the surroundings.

As one of methods to change myself intentionally, I would like to write my blogs in English occasionally

期日前投票へ行ってきた

来週 7/11 (日) は用事があるので, 車で期日前投票に行ってきた. 正午頃に行ったのだが, 待ち時間はゼロだけど人の流れが途切れない程度に混んでいた. まず黄色い誓約書に住所, 氏名を記入し, 期日前投票する理由をチェック. あとは選挙区選挙, 比例代表と続けて投票して, おしまい. 非常に簡単

帰ってきて新聞の求人広告を見ていたら, 投票所の出口調査のアルバイトが出ていた. この時期は, 晴れでも雨でも楽ではないバイトだなぁと思った

2010年7月3日土曜日

「四畳半神話大系」 (森見登美彦, 太田出版) 読了

下鴨幽水荘の四畳半に住む「私」が, 憧れの「薔薇色のキャンパスライフ」を求めて過ごした 2 年間を振り返る話が 4 つ. 荒唐無稽な話だが, 考えの方向性としては納得できる部分もあり, 一部は共感して楽しめたのは, 筆者が現役の大学院生だからか

アニメ版を見つつ本を読んだのだが, 話の切り方・見せ方はアニメ版のほうが好きだ. 原作にある話の入れ子構造は, 私にとっては書き散らかしたように見えてしまった. ただ, こういう話の素を発想できるのはすごいと思う. 日本ファンタジーノベル大賞を受賞した人なので, この作者の本を少し読んでみたい

2010年6月27日日曜日

「ドラッカー名著集15 マネジメント[下]」 (P. F. ドラッカー, ダイヤモンド社) 読了

ドラッカーのマネジメント本の下巻, トップマネジメントと, 規模 (大企業, 中企業, 小企業, 多角化, グローバル化, …) や構造 (成長, イノベーション) のマネジメントに書かれている. 上巻, 中巻より大きな視点でのマネジメントについて語られており, その分, 議論が概念的な部分もあるが, これまでの巻と同様に論点は出し尽くされている気がする or まずこれらの論点を整理してから先に進むべきかと感じた

一番興味があったのがイノベーションのマネジメントだが, イノベーションは現業と評価尺度が違うから, 組織を分けるべきとされている. 現業とイノベーションを 1 つの組織 (≒リーダが同じ人) にすると, どうしても現業・現世利益を優先させてしまいがちだ. 一方でイノベーションの組織を聖域化するわけにもいかないので, 悩ましさが残る