2012年9月17日月曜日

1 つ上の視点

最近, バラエティ番組でよく見る 武井壮 が, 先日, ある番組でこんなことを言っていた. 彼は陸上の十種競技の元日本チャンピオン なのだが, 十種の競技すべてを練習すると時間がかかるので, その競技を見るだけで マスターする方法を研究していたのだそうだ. 大会で有力選手の動きを見て, それを 真似することで上位を目指すというのは, ややもするとおかしな発想のようにも見えるが, よくよく考えると正しいことのように思えてくる

2012 年 9 月号の 日経ものづくり の 特集は「あらゆる製品がモジュール化する」であり, 事例としてマツダの「一括企画」「コモン アーキテクチャ」が紹介されていた. これは 1 台 1 台を企画・設計するのではなく, 複数車種を 一括で企画し, それらに共通する設計手法を確立するというものである. 十種競技で個々の 競技の練習をするのではなく, すべての競技で優位に立つための手法を研究するという発想と 同じである

車に限らず, 1 つの製品を世に出すためには, 様々な開発 (技術だけではなく, マーケティング など SCM の上流から下流までにおいて) が必要である. それを 1 つ 1 つの製品に対して 個別に行っていたのでは, 今の多品種少量の時代では時間的にも費用的にもとても間に合わない. そうではなく, もう 1 つ上の視点から, 複数商品に共通する開発を行い, 個々の商品はそれらの開発の 1 つの 応用というように認識することが, 特にこれからは必要である