2010年12月30日木曜日

「鋼鉄の叫び」 (鈴木光司, 角川書店) 読了

「自らの意思で帰還した特攻隊員」に焦点を当てた TV 番組を企画しようとするディレクタが, 様々なアプローチでまだ生きている特攻隊員を探し出そうとする. 一方, その TV ディレクタは, 偶然に知り合った人妻との結婚を考え, その人妻もディレクタとの結婚を希望するが, 彼女は娘との 別れが辛く, その一歩が踏み出せない

日経新聞に竹内薫も書いていたが, 一般的に鈴木光司は「リング」「らせん」「ループ」で 有名なホラー作家と認識されている. しかし「鋼鉄の叫び」では長い時間軸での人間関係に 焦点が当てられていて, ファンタジーノベル大賞を受賞した「楽園」を彷彿とさせる. また, 「人間関係」という視点を念頭に置くと, 「リング」からなる一連の作品や「エッジ」なども, 「人間関係」を強く意識した作品だと認識できる. 人は生きていくうえで何を信じるべきか, という問いに対する作者の解が提示されているような気がした

「パナソニックが SANYO を買収する本当の理由」 (荻正道, アーク出版) 読了

パナソニックと三洋が歩んだ歴史を振り返り, パナソニックによる三洋の買収が パナソニックにとってどういう意味を持つものかということを解説した本. 人間関係とか 感情面が表に出ていて, 一見すると単なる著者の想像にも見えるのだが, それに 歴史的な肉付けをすることによって, なるほどなぁと思えた

パナソニックが三洋買収によって得られるメリットは, 一般的には 2 次電池とか 太陽光発電とか言われている. それは, 事業面のメリットとしては正しい. ただ 企業として持続していくことを考えたとき, 筆者も述べているように, 三洋という 異文化を取り込むことによる体質強化ということを意識することが大事なんだと 思った

これは, パナソニックに限らないけどね

年末のスターバックス

スターバックス でコーヒーを飲み, 年末の買い物に行くというのが, ここ数年の恒例のイベントだ. 今日のコーヒーは スマトラ. 酸味がイマイチな私にとっては, 酸味のない スマトラ は 非常においしかった. ただ, 優待券を持ってた勢いでベンティを頼んでしまったので, 本を読みながらとはいえ飲み干すのに時間がかかった. 「食べ放題でも 食べ過ぎないようにしよう」と心に決めてるので, 来年はグランデぐらいにしておこうかと思った

記念に, 紙コップに巻いてあった腹巻を持って帰る. 机のペン立てに巻いておくと, 何となく優雅な雰囲気になる

昼前, 雨が降り出した. 途中でラーメンを食べて帰宅したが, 家に着く頃には雨は上がっていた

2010年12月19日日曜日

「The Elements of Style, Fourth Edition」 (William Strunk Jr. ら, Longman Publishers) 読了

アメリカの大学生向けの教科書をベースに作成された, 英文の書き方本. 初歩的な 文法に関する注意事項から, 間違いやすい単語の使い分け, 良い英文を書くための 指針など, 薄い本ながら盛り沢山の内容である. こういう本の知識があると, 英文の書き方だけではなく読み方も変わると思う

日本語→英語に翻訳すると, まどろっこしい英語になることがある. こんなことに なるのは非ネイティブだからだと思っていたが, この本を読むと, ネイティブでも そんなことがあるということが分かる. そういう読み方をしても面白いと思った

「街場のマンガ論」 (内田樹, 小学館) 読了

筆者がマンガをネタに方々で書いたり喋ったりしたことをまとめた本. 本業の知識を ベースにマンガを整理しなおすことで, 「あぁ, こういう見方があったのか」と いろいろ気付かされる

面白かったのは, 少女マンガのところと, アメコミと日本のマンガとの比較のところ. 少女マンガについては, それを理解するためには別のリテラシが必要とのこと. 「『自分がそのようなことを思っていることを本人さえも意識化してないこと』を記号化私うる能力」 というのが女性にはあって, それに気付けないと少女マンガは読めない (=楽しめない) らしい. 今後, そういう視点で少女マンガを立ち読みしてみようかと思う (傍目からは変わったおじさんに 見られそうだが…)

アメコミの主人公, 日本のロボットマンガの主人公は, それぞれがアメリカ・日本の セルフイメージであるという指摘も興味深かった. 無意識のうちにそういうのを意識して 物語が紡ぎだされてきて, またそれぞれの国民はそれを楽しんでいるというわけか

「アイデアの接着剤」 (水野学, 朝日新聞出版) 読了

タイトルを見ると発想法の本のように感じるが, それだけではなく, 筆者がデザインの仕事をするに あたっての考え方や態度が書かれている本. 「新しい考え」というのはデザインに限らず常に 必要とされているが, それをどう作り上げていくかということに対するキーワードがいくつもあり, 示唆に富む

例えば, 筆者はアイデアの最初の段階では「ヴィジュアル」ではなく「言葉」を手掛かりにして 考えるという. 私は「言葉」→左脳的→発想が広がらないと思ってしまうのだが, 言葉のほうが 「余白」があってアイデアが広がりやすいとのことだ. 往々にして誤解の元が言葉の解釈が人によって 違うことであったりするが, そういう言葉の「あいまいさ」に気付いてそれを活用するのは 面白いと思う

またマーケティングよりも自分のリアルな感覚が大事というのも, そうだと思った. データに頼って良いものができるなら誰でも良いものが作れるはずである. しかし そうは行かないし, それはできないので, 自分の感覚を拠り所にしなければならない. そのためには常に自分をリフレッシュ (何度もフレッシュする) ことが大切だと思った

2010年12月12日日曜日

会社で卓球

会社で卓球. 今日はリーグ戦 + トーナメント. ざくっと総括すると, 勝てそうな人には勝てて, 勝てなそうな人には勝てなかったという感じ. ただし 後者については, セットは取れたとか, いつもよりも点数が多かったとか, 練習を全然していなかった割には点数は良かった. 試合内容は相変わらず イマイチだったけど :-p

卓球をしながら考えたのだが, 自分がサーブを出す前, あるいは相手が サーブを出す前に, ラリーの展開をある程度予測する. このサーブを出すと, 相手はこんな球を返してくるだろうから, そうなったらこうやって打ち返そうとか, 今日はスマッシュが良く決まるから, スマッシュが打てる展開に持っていくにはどうしたら良いかとか, そんなことを考える

これが戦略

戦略のパターンが見えてくると, 何を得意技にできるかとか, そもそも体力が続くのかとか, いろんな課題が出てくる. その課題を, 普段の練習で磨く必要がある

これが戦術

スマッシュばかり練習していても, スマッシュを打てる展開に持っていけないと意味がない. 戦術のつながりを生かす戦略, 逆に想定された戦略を実現するために鍛える戦術. こんなふうに 考えると, 仕事でも「戦略」「戦術」を考えやすいのではないだろうか?

いや, 卓球中は卓球に専念するのがベストなんだろうけどね :-)

2010年12月5日日曜日

2011 年の手帳

ここ 2 年, PILOT の ORDINAL (PD-10-P12A) (見開き 1 週間, バーティカル) を使っていた. しかし来年は, 能率手帳 1413 (見開き 1 週間, バーティカル) に変えた

東京へ出張した際, 八重洲ブックセンターの手帳売り場を見た感想は, 手帳の種類が 非常に増えたということだ. いろんなメーカから個性的な手帳が出ているということもあるが, 今年は日本能率協会や高橋書店などポピュラーなメーカでも種類を増やしてきているように 感じる. そんななかで, 能率手帳シリーズでも私好みの「A6・見開き 1 週間・バーティカル」な 手帳が出てきて, 値段的な魅力もあり (PILOT の ORDINAL は 1365 円, 能率手帳 1413 は 945 円), 今年は能率手帳に乗り換えた

今年出た, コクヨの測量野帳の手帳にも「見開き 1 週間・バーティカル」があり, それと最後まで悩んだのだが, コクヨはシンプルすぎるので断念した. 例えば, 年に 1, 2 回は鉄道路線図の世話になることがあるのだが, そういうときに手帳に 印刷されていると便利なのだ

そういうわけで, 来年は能率手帳 1413 で行きます. でも最近は手帳を使い こなしていない (スケジュール管理は web ベースだから) ので, 来年は新しい手帳を 使いこなす一方, web ベースのスケジュール管理と住み分けて, 効率的な運用も模索したい

「Elements of Technical Writing」 (Robert W. Blye ら, Longman) 読了

工業英検 1 級は 落ちてしまった のだが, 合否が分からないときに 2 次試験対策として購入した本. Technical Writing で気を付けるべきことが, 小さいことから大きなことまで 網羅されていて, 英語の論文を書くとか, 英語の e-mail を書くとか, そういうときに 役に立つ. また本書自体が Technical Writing の良い手本になっていて, 読みやすい

例えば「小数は単数扱いか, それとも複数扱いか?」とか, 「数字が 2 つ並ぶ場合 (2 人の 12 歳の少年, など) はどう書くべきか?」とか, あるいはコンマやピリオドの 使い方など, 普通の英語教育ではスルーされている部分がきちんと書かれていて, 今後の英作文に対して非常に参考になる. 一方で, 関係代名詞の非限定用法と 限定用法の説明など, 日本の (文法中心の) 英語教育ではきちんと教えられている部分が あらためて本書でも取り上げられているのを見ると, 英語圏の人の Technical Writing に 対する位置付けみたいなものも感じられて, 興味深い. 今後, 英文に接するとき, 本書のような知識が頭に入っていると, 英文の読み方・見方が変わると思う

蛇足だが, 円高のおかげで洋書が安い :-)