2011年9月24日土曜日

「ローマ人の物語 <33> 迷走する帝国 <中>」 (塩野七生, 新潮文庫) 読了

皇帝マクシミヌス・トラクスから, 皇帝ガリエヌスまで. 東方・西方からの蛮族の侵入を 受けながら, 皇帝はめまぐるしく変わり, そんな余裕も無いのに内戦で国を消耗させたり していた時代の話. 皇帝は政治のトップであるとともに, 軍事のトップでもある. なので両方を 満足させないと皇帝の足場が崩れてしまうというのが, 皇帝の難しさだ (しかも血筋とか 正統性とかも要求されている)

「獣の奏者 外伝 刹那」 (上橋菜穂子, 講談社) 読了

エリンがイアルの子を妊娠し, 出産するまでの物語と, エサル師の学童時代の物語. 身分など, 自分ではどうしようもないことはいくつもある. でも, だからといって 生まれてこなければ良かったという生 (せい) は無く, 生まれてきて良かったと思えるか どうかは自分次第である, というメッセージが伝わってきた

最後に書いてった, 物語を書くことに対する著者の姿勢にも興味津々

2011年9月18日日曜日

「怪 vol.0033」 (カドカワムック 392) 読了

特集は蟲と天変地異. 後者に関しては, 鯰絵の描かれ方の変遷の解説が興味深い

荒俣宏と恩田陸の小説がスタート. 恩田陸の話は, 今回はエピソードのみで, その背後の事情などはまだ 描かれていない. 今後の楽しみということで

みうらじゅんの「飛び出し坊や」は, 「それは『怪』なのか?」という疑問もあるが, 複製される際の伝達ミス というのは怪談話や妖怪話に通じるところもあるのか?

2011年9月17日土曜日

「ローマ人の物語 <32>迷走する帝国 <上>」 (塩野七生, 新潮文庫)

数年前, 友人に「ローマ人の物語」を借り, その当時に文庫本化されていたところまでを 読んだ. 最近「文庫本版完結」ということで書店などで本書を見掛けることが多くなり, 読書を再開しようと思ったが, どこまで読んだのかを覚えていない :-) 書店で立ち読みして, 多分ここから再開すればよいだろうと思って手にしたのが 32 巻

カラカラからアレクサンデル・セヴェルスまでを扱った 32 巻だが, この時代は 皇帝が短期間で交代し, さながら現代の日本のようである. ただし当時のローマが 現代の日本と違うのは, 皇帝が支持を失うと謀殺されてしまう点である. 政治と軍事の 両方の能力を要求されるローマの皇帝は, しんどい仕事だと思った (当たり前だ)