2011 年の技術士第二次試験に申し込んだのが 4 月. 8 月の筆記試験, 11 月の技術的体験論文提出と進み,
先日, 面接を終えた. 合否発表は来年 3 月とまだ先だが, 一区切り付いたので, ここでこれまでを振り返る.
技術士第二次試験の受験のポイントはいくつかあるが, 一番のポイントは「経験者に聞く」ことだと
思う
ちなみに私は, 機械部門, 加工・ファクトリーオートメーション及び産業機械での受験である
【3 月~ 4 月】 まず最初にすることは, 受験申込書を作成すること. 受験資格を確認し,
私の場合は「技術士第一次試験合格証」や大学院の修了証明書などの入手
業務経歴書を作成しないといけないのだが, この業務経歴書は受験する「技術部門」や「選択科目」と
密接に関係すると
ともに, 「技術的体験論文」ともリンクし, もちろん「面接」でも使用される. そして業務は, 技術士法に書いてある
技術士の業務 (計画, 研究, 設計, 分析, 試験, 評価, これらに関する指導) で整理する必要が
ある. このようなことを全て考えた上で業務経歴書を書くのは, これらの注意事項は参考書に記載されているものの,
難しいことである. 特に私もそうだったが, 今年初めて
二次試験を受けようとする人は, この時期には技術的体験論文のネタくらいしか考えていないと思う. その場合,
完成した論文を想定し, その論文と整合が取れている業務経歴書を書くのは困難である. なので, 業務経歴書を
作成したら経験者に見せて, 明らかな問題点がないか, 論文を書けるような業務名になっているかを確認してもらうのが
大事である.
【5 月 ~ 6 月】 技術士第二次試験に関する本を読んで筆記試験の概要を
把握するとともに, 必須科目・選択科目の解答に必要な知識の吸収に努めた. 具体的には次の通り
- 必須科目
- 機械学会誌, 精密工学誌の過去 2, 3 年くらいの特集を調べて, 最近の機械部門の話題を確認
- 環境 (京都議定書, 発電技術, 再生可能エネルギ, リサイクル) や安全 (リスクアセスメント,
FMEA, FTA) に関するキーワードを調査
- 選択科目
- 工作機械や超精密加工技術など, 選択科目に含まれているけど詳しくない分野の本を読み, まとめる
【6 月~ 7 月】 時間を計って, 過去問を解く. 最近はやりのドット入りのノートは,
B5 の A 罫は 1 行 24 文字書けるので, 1 ページ 25 行で 600 文字 (= 解答用紙 1 枚) となり,
お勧め. またこれまで調べてきたキーワードも, 200 文字とか 600 文字というように, 字数の目標を決めて
まとめると良いと思う
普段の業務で技術報告書などを書いているため, 「論理的に文章を書く」というところはあまり苦労しなかった.
ただし「何を書くか」には苦労して, 足りないと思う知識はその都度調べて吸収した
【8 月】 多分, 最初の日曜日が筆記試験
筆記試験が終わると会社の夏休みが来るため, ここで面接までのスケジュールを見直した. 技術的体験論文を
書こうとしたけど, 夏休み中は章立てだけで終わってしまう :-p
【9 月】 まずは技術的体験論文を作成. 週末を使って 2 週間程度で作成. 図表を
考慮すると, 3000 字という分量はそれほど多くなく, すぐに埋まってしまう. しかし, 書き上げた論文に PR すべき
ポイントをきちんと盛り込もうとすると字数がオーバーしてしまうため, 文章のシェイプアップに苦労した
書き上げた論文は, 10 月下旬の提出まで, 2 回, 経験者の添削を受けた
【10 月~ 11 月】 技術的体験論文の brush-up と並行して, 面接の準備を
スタート. 具体的には, 次の通り
- 暗記もの
- 業務経歴書
- 技術的体験論文 (原稿なしで説明できるように)
- 技術士法 (重要な所)
- 知識もの
- 不足していると感じた知識の勉強 (生産システム, 産業機械など)
- 筆記試験の復習 (解答の再現, 答えていない問題の解答作成)
- 面接対策
- 質問されそうな質問への解答の準備 (受験動機, 技術士になったらどうするか, ‥)
ここまで来ると, その気になればやることはいくらでもあるので, 逆に何に絞り込めば良いか分からなくなって,
勉強に手が付かなくなることもあった. 時間は限られているので, 私の場合は最新の学会誌を読んだり,
気になるキーワードを調べたりしていた
【12 月】 12 月下旬に面接の本番. 前日中に新幹線で東京に移動して, 面接に
挑む. 面接で想定していなかったことは, 面接会場にホワイトボードがあり, 技術的体験論文については
ホワイトボードを使って説明するように指示されたこと. 後日, 経験者に聞くと, 面接官によっては
ホワイトボードを使用する場合があるとのことだった
現在, 面接が終わり, これまでは通勤時間や休みの日でも「技術士の勉強を優先せねば」という思いに
とらわれて落ち着かなかったが, そういう気持ちからは開放されてほっとしている. ただ継続研鑽は続けて
いかなければならない (技術士法, 資質向上の責務) ので, 計画的に進めていこうと思う
【参考書】 関連書籍は必ずしも多くないので, 私は目についた本は片っ端から
購入したし, そうすることがお勧めなのだが, その中から役に立った本を pick-up する
「技術士第二次試験「機械部門」完全対策 & キーワード100 第2版」
(Net-P.E.Jp, 日刊工業新聞社)
筆記試験, 技術的体験論文, 面接試験の一通りが説明されている. 特に技術的体験論文の事例や
面接試験の様子が書かれているのが Good. 巻末には技術士法も掲載されていて, 面接の直前までお世話になった
本だった
「技術士第二次試験「機械部門」対策解答例 & 練習問題 第2版」
(福田遵 監修, 大原良友 著, 日刊工業新聞社)
筆記試験, 技術的体験論文, 面接試験の一通りが説明されているが, どちらかというと筆記試験・技術的体験論文に
多くのページを割いている. 筆記試験の練習問題を探したり, 技術的体験論文の構成を考えるときに役に立った
「技術第二次試験論文の書き方」 (福田遵, 日刊工業新聞)
「論文の書き方」を詳しく解説した本. 章立てを考えて, 文字数を割り付けて, という論文の書き方を
詳しく説明していて, 特に筆記試験の心構えとして役に立った. 現在は「第2版」が出てるが, 私が
参考にしたのは 2008 年 12 月発行のもの
試験準備は楽ではないけど, 「準備ができたら第二次試験に申し込もう」と考えると, いつまで経っても
申し込めなくなってしまう. なので, 技術的体験論文が書けそうなネタがあれば, ひとまず第二次試験に申し込んで,
「1 年目は試験の体験をするのが目的で, 落ちてもいいや」という感じで臨むほうが良いと思う
また技術的体験論文を書いたり, 技術士法を読んだりすると, 「技術士とは何か?」が分かってくるので,
普段の業務でも「技術士」を意識した考え・行動を取ることができるようになる (と思う). そういう意味でも,
合格できる・できないは別にして, 第二次試験に申し込んでしまうのをお勧めする