2011年12月30日金曜日

「決断できない日本」 (ケビン・メア, 文春新書) 読了

長年,日本で働いてきた筆者が, アメリカ人が見た日本の姿を書いた本. 内容ももちろん good なのだが, こういう人が日米の外交から外れてしまったのが非常に残念で, また日米両国にとって不幸なことであるというのが, まず最初の感想

米軍が日本に駐在し, 有事の際には日本を防衛する. その代わりに日本は米軍に基地用の土地や 費用の一部を提供する. この日米安保条約に対し, 実は私も「本当に米軍は有事の際に日本を守って くれるの?」と思っていた. 読後の今でも, 感情的には「本当?」という気持ちが消えたわけではないが, 実務的には筆者も本書で述べているように守ってくれると思うし, 実際, 3.11 のときは助けてくれた.

多分, 日本人は, 米軍が日本を守る理由が分かっていないんだと思う. 米軍は義理人情で助けてくれる のではなく, 日本が傾くと困るから助けてくれるのだ. 反対に日本も, アメリカに何かあっては困る. そういう 現実的なところを考えないし, 政治もそれを説明しようとしないのが, 問題なんだなぁと実感した. 日本に 起こりうる有事って何だ? 軍事的脅威を受けるとしたら, どこの国からか? ちょっと考えれば分かることだが, 臭い物に蓋をしてしまうから, 現実から遊離してしまうのだろう. そんな問題点に, 本書は気づかせてくれた

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