2008年12月28日日曜日

「へんな立体」 (杉原 厚吉, 誠文堂新光社) 読了

エッシャーの絵に出てきそうな, 一見すると無理のある立体を実際に作るための展開図を掲載した本. 「実際に作る」ことに主眼が置かれており, 組み立て方に関する詳しい説明と展開図があるので, 小学生でも作ることができると思う. 3 次元を 2 次元で表現するとはどういうことか? を考えさせられる, 興味深い本だった

3 次元の立体を 2 次元で描くとき, 奥行き方向の情報を捨てる必要がある. でも 2 次元に描かれた絵を見た人が常識を使って奥行きの情報を補うことで, 3 次元の立体と認識しているのだろう. そこを積極的に利用 (悪用) したのが本書で紹介されている「へんな立体」である. では, 何故, 2 次元の絵から 3 次元の立体を認識できるのか? 本書の最後にもいくつかのヒントが書いてあるが, もし代表的な 3 方向の直線がそれぞれ直角に交わるはずという思い込みが立体を認識する際のベースになっているなら, 人工物に囲まれて暮らしているうちに「よくある立体の形状」を学習してしまった結果, 2 次元の絵から 3 次元の立体を想像できるようになったのだろうか? もしそうなら, 平行や直角のない世界で暮らしていれば, エッシャーの絵を不思議だとは感じないのだろうか?

まずは 1 つくらい「へんな立体」を作ってみたいし, 例えば Povray などでモデリングをしても面白いかもしれない

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