タイトルが本書の内容を物語っているが, 技術開発力はあるはずの日本が事業面で他国 (欧米, 韓国・台湾など) に負けているんだろうか? という観点で, 課題の整理と筆者の主張をまとめた本. 以前は発明 (インベンション, 技術開発) が事業に直結していたから, 愚直に技術や品質を磨いていれば商売もうまくいっていた. でも今は, 発明と普及 (ディフュージョン) のスピードが問われており, 両者をスピーディにこなし, さらに急所を知財で押さえていく必要があり, 普及と知財の面で日本が負けているとしている. 事業戦略を練る上で, 何をどのように考えなければならないかということが分かりやすくまとまっており, 頭の整理に良い本だと思う
「技術で勝れば勝てる」「商品が良ければ売れる」というのは間違っていないが, (筆者の例で言えば) そういうホームランを狙うのではなく, ヒットの積み重ねでも着実に点を取れる戦略を描くことが大事である. またスピードも重要になっている今日では, 技術開発の協業・製品製造の分業を通じて, 速やかに普及させていく必要がある. この時に, 自分が急所を握れるような状況を如何に戦略的に作り出すか, そしてその戦略を時系列的にどのように変化・最適化していくかということを考えなければならないという思いを新たにした
またアップルの例 (iPod や iPhone は, iTunes のためのデバイスという位置付け) を考えると, プロダクトはサービスに従属するといえる. また製造・販売などのプロセスは, 当然ながらプロダクトに従属している. ユーザが手にするものは究極的にはサービスであり, サービスが上位概念で, その下位にプロダクトがあり, さらにその下位にプロセスがある. 私自身は仕事でプロセスを担当しているので, 2 階層上のサービスからは少し距離があり, サービス視点でのプロセスの位置付けがややもするとぼやけがちになる. それではダメなので, サービス実現のために私のプロセスが何を担っているのか? ということを明確にしていきたい (当たり前の感想っぽくなってしまった)
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