ここではないどこかに絶対的価値体があり, そこからの距離の意識で思考や行動が規定されている「辺境人」として日本人を捉え, その行動や思考パターン, コミュニケーションなどを論じた本. 筆者が冒頭で述べているように本書の構成はいまいち体系立ってない部分もあるが, 書かれていることはイチイチ腑に落ちた
一番興味深かったのは, 辺境人は己の未熟さを中心からの距離感で説明してしまう (とても中心には到達できないというある種の遠慮) ので, 未熟でも OK という気分になり, それが道を極めるという精神と対立してしまうという指摘だ. そういった矛盾は場面場面で都合良く解釈を変えれば乗り越えられると私は思うのだが, 本当に真剣に考えるとそうもいかないのかもしれない
養老先生の受け売りと書いてあったが, 日本語とマンガの関係も面白かった. 漢字とかな文字は脳内の別々の場所で処理されており, 日本人はそういうハイブリッドな処理に慣れているので, マンガという表現 (絵と言葉のハイブリッド表現) を進化・発達させられたという指摘は, じゃあ他の表現 (絵, 音楽, etc) ではどうなんだろう? という興味が湧いた
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