2010年7月11日日曜日

「太陽の塔」 (森見登美彦, 新潮社) 読了

京大農学部 5 回生 (休学中) の主人公・森本と, その友人たちが過ごす, クリスマス・イブまでの数日間 (十数日間?) を描いた話. 森本は昨年, 彼女と分かれたのだが, まだ「研究」と称して観察を続け, それに気付いた 彼女の同級生・遠藤は, 勝手にその観察を妨害しようとするが, ちょっとしたきっかけで森本と遠藤は仲良くなってしまう. 本書は 2003 年の第 15 回日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作 「太陽の塔 / ピレネーの城」を改題・加筆したものだが, 最初は読み進めてもファンタジーが見当たらず「何故にファンタジーノベル大賞か?」 と思ったが, 日常生活に何気なく挿入されているファンタジーは爽やかだった

森本と遠藤が見た太陽の塔は何だったのかとか, 飾磨の夢玉はあれで終わりかとか, 海老塚先輩はどういう経緯で今の職業に就いたのかとか, 知りたいディテールがたくさん残されたままストーリィが終わっていて, 私としてはちょっと物足りない感じも残るけど, ストーリィ全体から 受ける印象は good でした. 続いて「夜は短し…」に進みます

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