2009年8月30日日曜日

「10万年の世界経済史 (上)」 (グレゴリー・クラーク, 日経 BP 社) 読了

以下の 3 つの課題設定をして, 経済の歴史を解説する本.

  • 「マルサスの罠」の時代 (産業革命以前の, 人口が増えなかった時代) はなぜ長く続いたのか?
  • そこからの脱出が, 英国で, 1800 年頃に始まったのはなぜか?
  • その結果として「大いなる分岐」 (いわゆる先進国と途上国) が生じたのはなぜか?

上巻は, そのうち「マルサスの罠」について解説している. 人口や出生率, 死亡率に関する膨大なデータを駆使しているのだが, 話がよく飛ぶような気がして, 筆者の論理展開が正しいのかどうかが私にはよく分からなかった. 一応, 下巻も読んでみます

土地 etc のインフラから得られるものの量は決まっているので, 人口が増える → 貧しくなる → 死亡率が上がる → 人口が減る → 豊かになる → 死亡率が下がる → 人口が減るというサイクルはもっともだと思うが, なぜイギリスで産業革命の時期にこのサイクルから脱したかが分からないと, このサイクルの妥当性もよく分からないと思った

この時期, ヨーロッパ人は日本人よりも衛生観念が低かったというのは興味深かった

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