2008年5月15日木曜日

「陰摩羅鬼の瑕」 (京極夏彦, 講談社ノベルス) 読了

たくさんの鳥の剥製が飾られている屋敷に住む元伯爵は, 過去 4 度結婚をしたが, 4 回とも花嫁は翌日に殺されてしまう. そして 5 度目の結婚式が行われようとし, 殺人を防ぐために榎木津が関口と一緒に屋敷に訪れる

全ての章が誰かの視点で描かれており, そのためか会話がとても多く, 最初の頃は誰と誰の会話かがよく分からない場面もあった. 物語の鍵の 1 つが儒教的な世界観であり, 京極堂によって語られるそれはものすごく長いのだが, 丹念に読むとそれなりに分かりやすかったと思う (というのは作者の術中に嵌まったということか?). 京極の作品にはとっぴなトリックは無いので, 途中で犯人と殺人のおぼろげな理由は何となく分かったが, それを立証する京極堂のロジックは巧みだった

次は「邪魅の雫」. 古本屋で安く手に入らないかなぁ…

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