車の渋滞, 避難時の人の動き, アリの行列など, 「渋滞」に関する話題を数学的モデルを織り交ぜながら平易に語った本. 高速道路では車間距離が 40m 以下になると渋滞になるとか, データ的には追越車線よりも走行車線のほうが流れが速いなど, 実生活に役立つ情報もあり, 面白かった
直感的に理解しやすい ASEP (Asymmetric Simple Exclusive Process, 非対称単純排除過程) モデルで, パラメータを変えるだけで車やアリの動きを再現できるというのが, 非常に興味深い. 渋滞に関するいくつかの知見は, 全ての運転者がそれを知ってしまうと成立しない (追越車線のほうが遅いことを知っていたら, 走行車線を走る車の割合が増えて, 結局混んでしまう) という理不尽さも, 人間らしいなぁと感じた
最後のほうに書かれていた「理学と工学を橋渡しできるような人材が必要」ということは私も感じているのだが, 私よりも年齢が少し上の人がそれを体現しているのを見ると, まだまだ私の立場でもできることがあるのではないか? と反省半分, 望み半分といったところである
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