2009年2月22日日曜日

「渋滞学」 (西成活裕, 新潮選書) 読了

車の渋滞, 避難時の人の動き, アリの行列など, 「渋滞」に関する話題を数学的モデルを織り交ぜながら平易に語った本. 高速道路では車間距離が 40m 以下になると渋滞になるとか, データ的には追越車線よりも走行車線のほうが流れが速いなど, 実生活に役立つ情報もあり, 面白かった

直感的に理解しやすい ASEP (Asymmetric Simple Exclusive Process, 非対称単純排除過程) モデルで, パラメータを変えるだけで車やアリの動きを再現できるというのが, 非常に興味深い. 渋滞に関するいくつかの知見は, 全ての運転者がそれを知ってしまうと成立しない (追越車線のほうが遅いことを知っていたら, 走行車線を走る車の割合が増えて, 結局混んでしまう) という理不尽さも, 人間らしいなぁと感じた

最後のほうに書かれていた「理学と工学を橋渡しできるような人材が必要」ということは私も感じているのだが, 私よりも年齢が少し上の人がそれを体現しているのを見ると, まだまだ私の立場でもできることがあるのではないか? と反省半分, 望み半分といったところである

0 件のコメント: