2009年2月8日日曜日

「ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!」 (エリヤフ・ゴールドラット, ダイヤモンド社)

筆者とその娘との会話や, 筆者のレポートを通じて, ものごとの考え方の基本, すなわちものごとはそもそもシンプルであることを繰り返し説く内容. 欧米のビジネス書によくあるように, 主題の周りにちりばめられた話が多いが, その分, 主題は明確である. 特に議論がトートロジーに陥りやすいことを指摘している点は, 私も大きく納得

原因 → 結果の因果関係を考えるとき, 「この結果が生じているということは, こういう原因があるはず」と帰納的に考え, だからその原因を取り除かなければならないと指摘されることは良くある. しかしこの帰納的な考えを検証するためには, その原因があった場合に起こるはずの複数の結果を想定し, それが全て生じているかチェックする必要がある. それができない場合は, 最初に考え付いた「原因」は生じていないのだ! 特に「原因」を人に帰す場合 (モチベーションがないからできないのだ, のように) は, 特に注意が必要と指摘しており, 興味深い考え方だと感じた

私自身も, 帰納的な考え方と演繹的な考え方がごっちゃにならないように, そして検証無しで無責任に原因を語らないように注意したい

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