粉粒体の不思議な挙動を, 砂時計や砂丘などの身近な例や, 流体や気体とのアナロジで興味深く説明した本. 最終章では物理学そのものに対する著者の考えも書かれており, 粉粒体をネタにした物理学一般の啓蒙書にもなっている. とっつきにくい分野が分かりやすく説明されており, 面白かった
言われてあぁそうかと思ったのは, 砂時計には何故砂が使われていて, 水ではないのかというところ. 砂時計の場合, 時間が半分経過したときには上下の砂の量がほぼ等しくなるが, これは砂の落下速度が残っている砂の量に依存しないからである. しかし水のような液体の場合, 水の落下速度は上に残っている水の量に依存するため, 時間が半分経過しても上下の水の量は等しくならない. これが砂時計に砂を使うメリットであり, また砂の挙動の不思議なところである
粉粒体は不思議な性質を持つが, 一方で身近なものなので, たくさんの経験的知識があるのだと思う. そういったものを, 少しずつ勉強していきたい. そんなときに, 本書によって粉粒体の不思議さを概観できた気がする. 身近に置いておきたいと思うが, いかんせん古い本なので, 古本屋で気長に探してみます
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