2008年7月27日日曜日

「サムスンの研究」 (日経 BP 社) 読了

主にサムスン側の複数の人が, サムスンの急成長に関して語った本. 執筆者によって文章の濃さが違うが, サムスン側の人や研究者 (大学 etc) がサムスンの成長の理由をどう考えているのかが, 何となく分かる

最近, サムスンに関する本や資料をいくつか読んでいるので, どの情報をどの本から得たのかの区別が付きにくいのだが, サムスンの特徴を挙げると次のようになると思う

  1. トップ (会長) と周囲 (構造調整本部) の長期ビジョン, 判断力の強さ
  2. 教育 (将来のエリートを育てる教育 + システマチックな一般社員教育)

長期ビジョンに関しては, 現在の収益力ではなく, 将来を考えたときに何に投資 (技術開発, 設備, etc) すべきかという視点が, 結果的には成功しているのだと思う. 一方, 教育に関しては, 将来の幹部を育成するために教育の前段階の採用を重視していたり, グローバルな人材育成のための外国への遊学など, 将来に必要とされる人材の育成をきっちりとやっている気がした. 「TOEIC で○○点以上取らないと課長になれない」なんてケチくさいスローガンとは, 大きく違う

ここからは雑談. 以前, 韓国人と話をしていたときに, 「韓国人は大きな車が好き」という話をしていた. 多分, 車に限らず家電 etc などでも, 所有がステータスになるものについては大きいものが好きなのではないのか? このことは, 韓国はアメリカを志向しているように見える. 一方アメリカには, ヨーロッパへの憧れのようなものを感じる. すると, ヨーロッパ, アメリカ, 韓国は, 市場の性向は似たようなものなのか?

日本はどうか? 日本には, どこかよその地域への憧れはあるのか? ブランド物やアンティーク家具などを見るとヨーロッパ好きのように感じるが, 全面的にヨーロッパ万歳かというと, そうではない気がする. 目には見えないが, 日本人として目指すべき共通の理想の姿みたいなのがあって, ヨーロッパなどを気にしつつもそこへ向かっているように思える. それをして「ガラパゴス」というのは売る側の論理であって, 買う側からすれば「ガラパゴス」に合わせた物を売ってほしいのだ

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